二刀流スターの輝く場所は、大都市になるのか。

　ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は今シーズン終了後、フリーエージェント（FA）を迎える。偉才の去就は現地のファン、関係者ら多方面で大きな注目を集めている。無論、連日多くの球団や米メディアが大谷の移籍先に関心を示しているなか、米スポーツサイト『Essentially Sports』が大谷の移籍について、興味深いトピックスを配信している。

　記事を見てみると、同メディアはニューヨークを拠点とするヤンキースとメッツが今オフFAとなる二刀流戦士の獲得について大胆な仮説を立てている。というのも、今季の両球団はファンの期待を大きく裏切ったからだ。

　現地９月25日終了時で、ヤンキースはア・リーグ東地区（79勝77敗）、メッツはナ・リーグ東地区（71勝85敗）で、ともに４位と低迷。プレーオフ進出を逃している。ゆえに、不本意なシーズンを送る両球団が「来季への巻き返しのため、虎視眈々とチーム強化を図る」と断言。大谷獲得が立て直しへの「最大の目玉」だと見解を示す。

　同メディアは「ニューヨークの街は深い苦境に陥っている」と皮肉を込め、両球団の低迷ぶりを表現すると、「彼らにはショウヘイ・オオタニの魔法が必要かもしれない」とスーパースターの加入を主張。そのうえで、「問題なのは、当初はビッグ・アップル（ニューヨーク市のニックネーム）を拒絶していたショウヘイが、この都市の球団を求婚者として受け入れるかどうかだ」と独自の見解を綴る。

　まず、ヤンキースについては「野球界が生んだ超大物は、地球上で最も有名な球団と契約を結ぶのが相応しい。ブロンクス・ボンバーズ（ヤンキースの愛称）は確かに彼のエイリアン的な能力を必要としている」と大胆に予想。大谷のピンストライプのユニホーム姿を想像している。
  　次にメッツに関しては、「億万長者の（オーナーの）スティーブ・コーエン氏は、ショウヘイ・オオタニの関心を口にすることを避けていない。オオタニは今春ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）のために日本へ飛び、二刀流のセンセーションなプレーを母国で披露した」と記し、WBCでも唯一無二の二刀流として躍動し、MVPを獲得した大谷の大活躍を振り返っている。

　他にも、９年連続でポストシーズン進出を逃したエンジェルスの不振に言及しながら、「唯一の明るい兆しは、コーエンに獲得プランがあることだ。そのため（メッツは）多くの大物選手を放出した」と指摘する。今夏、メッツはトレードでマックス・シャーザーをテキサス・レンジャーズへ、ジャスティン・バーランダーをヒューストン・アストロズにそれぞれ放出。ともにサイ・ヤング賞３回受賞の剛腕を手放したことは「チーム再構築の過程」だと強調。大谷獲得の伏線と推測している。

　同メディアはトピックの最後に「多くの人は、オオタニの次の行き先がビッグ・アップルであることを望んでいるかもしれない。ニューヨークで野球のスターになれば、これ以上素晴らしいことはない」と記し、両名門球団への移籍を望む熱烈なメッセージを添えている。

　さまざまな移籍の可能性が囁かれるなか、現地メディアが伝える通り、大都市ニューヨークが日本人スターの新たな舞台となるのか。それも魅力的なひとつの選択肢と言えるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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