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プロ野球

阪神の新助っ人は“投手”と“教師”の二足の草鞋。マイナーリーガーの過酷な現状

2019.12.16

阪神に入団が決まったガンケルはオフに教師として“働かなければならなかった”。(C)Getty Images

阪神に入団が決まったガンケルはオフに教師として“働かなければならなかった”。(C)Getty Images

 15日、阪神は新外国人選手としてジョー・ガンケル投手(27歳)の獲得を発表した。先日入団が決まったジャスティン・ボーア(31歳)はシーズン20本塁打以上を3度も数えるなどメジャーで実績を残した一塁手だが、ガンケルの場合はまったくない。ない、というよりメジャーに昇格したこともない、正真正銘の「マイナーリーガー」だ。

 ガンケルの来季年俸は50万ドル(約5500万円)。助っ人選手としてはかなり安い部類だが、きっと跳ねて喜ぶほど嬉しかったのではないか。ガンケルは過去4シーズンを3Aで過ごしてきたが、“野球”での収入は1万5000ドル(約162万円)程度で、これが「レギュラーシーズンのみ」支給されてきた。
 
 マイナーの過酷な環境ついては知っている方も多いだろう。給料が安いだけでなく、長時間バスに揺られながらの遠征、ハンバーガーを中心とした食事、バットやグラブも基本的には自腹、長時間の試合になっても残業代はなし、オフの給与はゼロ……というブラック企業真っ青なもの。つまるところ、大半のマイナーリーガーはオフは完全に“無職”となり、職探しに奔走することになる(最近はウーバーで働くのが“ブーム”らしい)。当然、ガンケルも例外ではなく、オフは別の仕事をしていた――教師である。

 大学3年次にプロ入りしたため、大卒資格に1年足りず職探しに苦労しながらも、ミドルスクールの教師をしているメーガン夫人のおかげで、2017年のオフに代理教師の働き口が見つかった。週に3~5日、日給は100ドルに満たない。しかし、生活のためには仕方がない。さまざまなクラスを受け持ち、体育の授業が得意だったが、自らプロ野球選手とは明かさなかったという(スマホ全盛時代だけあって、名前を検索されてすぐにバレるらしいが)。

 
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