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プロ野球

後悔と反省の果てに再認識したプロ野球選手としての在り方――山川穂高の5ヵ月間の”回り道”<SLUGGER>

氏原英明

2023.10.06

報道陣の前で騒動を謝罪する山川。今後はフェニックスリーグへの出場などを通して選手として再起を図る。写真:氏原英明

報道陣の前で騒動を謝罪する山川。今後はフェニックスリーグへの出場などを通して選手として再起を図る。写真:氏原英明

 暗い表情と沈んだ声を聞いて、涙が出そうになった。

 自身が招いた顛末とはいえ、明るいキャラクターと雄弁な語り口が持ち味の男の姿がどこかひ弱に見えて、悲しさばかりが募った。

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 実に5ヵ月ぶりに、山川穂高が公の場に姿を現した。

 久々にみたスーパースターが朽ちていくさまは、「見たくないものを見せられている」。そんな感覚に陥った。おそらくライオンズファンが、ひいてはプロ野球ファンが感じている山川への落胆は、言うなればそういう感覚なのかもしれない。

 信じていた者から裏切りを受けたような。

「僕のしてしまったことなので、そこから目を逸らすのではなくて、もう一回自分の目でちゃんと、自分への批判を全部見て真摯に受け止めて反省し、これからの取り組みにつなげていくしかないと思っています」

 自ら開催を希望したという記者会見において、山川はメディアからの質問に努めて丁寧に答えていった。

 何かに不満を口にすることはなく、すべての現実を受け入れる覚悟を持っているようだった。

 この5ヵ月は山川にとって、ここ数年までの人生とは大きくかけ離れた時間となったに違いない。世間から厳しい視線にさらされ、思うような活動もできない。大好きな野球を失ってしまったことで、ことの重大さを理解しただろう。
 
 なぜ、人は道を間違えるのか。

 トップアスリートとそれ以外の選手の差は、才能にはない。

 取り組みや日頃の行動、人間性にあると思っている。成功したものに共通するのは圧倒的な才能ではなく、人としての行動だ。スーパースターが尊敬されるのは、大金を稼いで贅沢三昧しているからではなく、常人には到達しえない人間的な境地に辿り着いているからだろう。

 道を踏み外すものは、人としての最高点に到達することはできない。

 ただ、山川穂高という人物はその到達点に足るだけの人物だと思っていた。

 だからこそ、その落胆も大きいのだろう。

 山川は言葉を選び、今の現状をこう受け止める。

「我々(プロ野球選手)は夢を与える仕事だと思っていますので、人に期待されて応援してもらって初めて僕たちが成り立つというか、輝ける。そういうふうに常々思っていますので、 こういうことをしてしまうとその人たちの期待を大いに裏切ることになると思います。なので、その期待されて裏切られたという気持ちが大きければ大きいほど、こういうふうになるとは思っています」
 
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