去る10月５日（現地時間）、ニューヨーク・メッツのビリー・エプラーGMの辞任が伝えられた。米国内では「電撃的」とも報じられており、驚きとともに、敏腕GM辞任のニュースが駆け巡ることとなった。同氏は負傷者リスト（IL）の不適切な利用が指摘されていたという。

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　ロサンゼルス・エンジェルスのGMとして活動していた2017年には、他球団に競り勝つ形で大谷翔平を獲得し、昨シーズンオフには千賀滉大のメッツ入りに尽力するなど、日本人選手とも所縁のある人物でもあった。

　そして、メッツ専門サイト『Rising Apple』でも現地時間10月７日、エプラー氏の一報を受け、チームに残した功績などを紹介する惜別のコラムを掲載。その中では千賀をチームの一員に招き入れたことについても綴られている。
  「エプラーはセンガに５年総額7500万ドルの契約を手渡したが、これは今季の野球界で最高の『買い物』となった」

　同メディアは、ルーキーながらも12勝をマークした活躍を踏まえ、千賀のメッツ移籍をそう評している。

　さらに「センガは１年目から期待以上の活躍を見せ、エースとしての地位を確立した。彼のゴースト・フォーク・ピッチは、間違いなく今年のメジャーで最高の投球であり、コントロールはシーズンを通して向上した」とパフォーマンスに賛辞を贈っており、加えて「センガが先発のフル稼働をこなせるかどうか懐疑的な向きもあったが、マウンドを追うごとに力をつけ、166イニング以上を投げて防御率2.98の成績を残した」と振り返った。

　また、「マックス・シャーザーとジャスティン・バーランダーがいなくなった今、センガはメッツの不動のエース、そして開幕投手として2024年を迎えることになる」として、来季への期待も付け加えている。

　同メディアは「サイ・ヤング級のルーキー・シーズンを終えた今、コウダイ・センガとの契約は間違いなかったと言うのは簡単だが、この移籍は確実なものにはほど遠かった。多くの球団は、日本からメジャーリーグへの移籍はリスクが大きいと見ていたが、エプラーはこの日本人右腕の獲得に全力を尽くした」として、前GMの手腕を称えた。

　トピックでは他にも、今季中に行なわれたマックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダーといった大物選手の放出や、ファームシステムの強化を図ったことなどもエプラー氏の功績だったと記している。

　千賀の活躍こそ光ったものの、チームとしては不本意な結果となり、選手の顔ぶれも変わるなどネガティブな話題が先行したメッツ。レギュラーシーズン終了後も、エプラー氏が球団を去るという激震に見舞われることとなった。

構成●THE DIGEST編集部
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