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いよいよ稀代の二刀流戦士を巡る争奪戦が繰り広げられようとしているMLB。無論、米メディアは大谷の動向を日夜見逃すまいと、移籍市場の噂をキャッチしている。なかでも、米放送局『ESPN』は「ショウヘイ・オオタニのシーズンが到来!」と題し、FAとなった偉才を狙うメジャー10球団を紹介している。
まず、現所属のエンジェルスから5日間の独占交渉期間が始まり、そのあと他球団との交渉が解禁される。記事を執筆したアルデン・ゴンザレス記者によると、「(右肘の)手術を受けたオオタニだが、契約によっては、北米プロスポーツ史上初の5億ドル(約750億円)アスリートが誕生する可能性がある」と超大型契約が見込まれており、大谷争奪戦が本格化する見通しを立てている。
そして同記者は「彼の次の目的地は、おそらく10チームに絞り込まれるだろう」と記し、大谷の移籍先候補を列挙した。
冒頭に挙げたのはボストン・レッドソックス。「過去4年間で3度の地区最下位に低迷するチームの切り札になる」とし、「オオタニとの契約は、熱狂的なファンの興味を引くことになる」と言及。もし移籍すれば、ワールド・ベースボール・クラシックで侍ジャパンの4番を担った吉田正尚との共闘が実現する。
日本人同士では鈴木誠也が所属するシカゴ・カブスも大谷を虎視眈々と狙っているようだ。「元リーグMVPのコディ・ベリンジャー、エース右腕のマーカス・ストローマン、ジェイソン・ヘイワードの退団で6000万ドル(約89億円)以上が帳簿から消える可能性がある」と予想。「新たな争奪戦のウインドウに入りつつある」とダークホースとして浮上している。
移籍先の最有力候補に挙げられているロサンゼルス・ドジャースについては、直近11年で10度の地区優勝を決めるなど、「最も継続的な勝利に長けている」と評され、常勝軍団として確固たる地位を築いている。さらに「10月以前にドジャースのオーナーはオオタニ獲得に強い意欲を示していた。プレーオフでの早期敗退は、その意欲をさらに高めるかもしれない」と説明。今オフ、大谷獲得に並々ならぬ熱意を示すと予想した。
他には、ニューヨークを本拠地に置くメッツとヤンキース。ともに今季は下位に低迷するほど不振を極めた両チームだが、「(メッツのオーナー)スティーブ・コーエンほど懐の深い人物はいない。彼はオオタニを獲得するために多大な努力をするつもりだろう。ヤンキースはアーロン・ジャッジのためにDHを空けておかなければならない。彼らが実際に大きく関与するかどうかは別として、移籍市場から割り引くことはできない」とし、豊富な資金力を武器にする両球団の動向を注視すべきだと論じている。
記事内ではサンフランシスコ・ジャイアンツ、シアトル・マリナーズ、テキサス・レンジャーズ、トロント・ブルージェイズなども移籍先候補に挙がっており、現所属のエンジェルスについては「オオタニにとって、最初に二刀流の役割を切り開く手助けとなった球団という親しみやすさがある。エンジェルスは彼を呼び戻すためにあらゆる努力をすることが期待されている」と述べ、わずかながらも残留の可能性を示唆している。
現地11月16日にはリーグの最優秀選手(MVP)が発表され、2年ぶり2度目の受賞が期待される大谷。大注目の争奪戦では、すでに見えない火花が散っている。
構成●THE DIGEST編集部
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