米放送局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は11月14日、2023ー24年オフシーズンの展望する記事を配信。投手部門のトピックで山本由伸をはじめ、今永昇太、前田健太、上沢直之、松井裕樹の名前を挙げている。
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「FA投手市場は深い。今冬はどの球団も投手を求めている」とパッサン記者は記して、各球団の状況を説明。「カーディナルスは3人の先発を欲しがっている。レッドソックスはローテーションの軸を狙っており、ドジャースもローテーションを安定させる必要がある。ブレーブスは長期的に投手陣を強化したいと考え、ダイヤモンドバックスはザック・ギャレンとメリル・ケリーを狙っている。メッツのローテーションはコウダイ・センガ(千賀滉大)を除くと疑問のある投手しかいない。ナショナルズ、ロイヤルズ、パイレーツなど多くの球団が投手を探している」と伝えた。
そのうえで、「市場はこうした状況のため、FA(およびトレード市場)の投手は幸運なことに、自身の記録を更新するような契約を結ぶ可能性がある」と見通すと、今オフの全FA投手の筆頭に山本由伸の名前を挙げた。
「ショウヘイ・オオタニがFAでなければ、ヤマモトが今冬の目玉になっていたはずだ。過去3年に沢村賞を受賞。彼の残した数字は他の追随を許さない。2023年は164イニングを投げて169奪三振、28四球、許した本塁打はわずか2本。防御率は1.21を記録した。このクオリティーを持つ25歳がFA市場に出たのは、過去にさかのぼる。最も近いところで比較できるのは、沢村賞を二度受賞して14年に25歳でニューヨーク・ヤンキースに入団したマサヒロ・タナカ(田中将大)だ。彼は7年総額1億5500万ドルとポスティング料2000万ドルで契約した」
続けて山本の特長を「90マイル半ば以上の速球と、スプリッター、ループカーブ、ハードカッター、スライダー。そのすべてに威力がある。唯一の欠点は体格(178センチ・80キロ)かもしれないが、それは屁理屈というものだ」と記し、「各チームのスカウトとデータの数値に、同じように高評価される選手は珍しい」と驚きを込めて称賛している。
さらに「ヤマモトの金額がどれほど高くなるのかは分からないが、おそらく2億ドルから始まって、少しずつ上がっていくのだろう。投手史上最大の契約は、ゲリット・コール(8年総額3億2400万ドル)とスティーブン・ストラスバーグ(7年総額2億4500万ドル)だ」と、金額面について2人の投手を引き合いに出した。
「興味を示していると言われているのが、ヤンキース、メッツ、カブス、レッドソックス、ドジャースで、おそらくジャイアンツやブルージェイズもそうなのだろう。球団名を見る限り、ヤマモトは金額面でコールやストラスバーグの仲間になるかもしれない」
このようにFA投手部門のトップに山本をチョイスしたパッサン記者は、続けてFAの有力投手をランク付けした。ティア1にはブレイク・スネル、アーロン・ノラ、ジョーダン・モンゴメリーを入れ、ティア2にエデュアルド・ロドリゲス、ソニー・グレイ、そして今永昇太を入れている。「イマナガはヤマモトに似たサイズの30歳。この日本人左腕は8000万ドル以上の契約を視野に入れている」と記した。
ティア3には、ルーカス・ジオリト、マーカス・ストローマン、ジャリエル・ロドリゲスを入れ、「ロドリゲスは知られていないが、優れた投手だ。2020年から2022年に日本の中日ドラゴンズでリリーバーを務めていた。彼を見たことがあるスカウトは、強力なスライダーを投げ、圧倒的な存在感があると言っていた。26歳のキューバ人投手は5000万ドル以上の契約をかわす可能性がある」と評している。
ティア4には、セス・ルーゴ、ジャック・フラハティ、クレイトン・カーショウを入れた。ティア5には、マイケル・ロレンゼン、ショーン・マナエア、マイケル・ワカ、前田健太ら計9人を入れ、「彼らに共通しているのは、役割や怪我のせいでイニング数が不足している点。いずれも複数年契約なら年俸1000万ドル前後くらいになるはず」と見込んだ。
最後のティア6には、ランス・リン、リュ・ヒョンジン、ウェイド・マイリー、上沢直之ら計9人を挙げ、上沢については「信頼できる投手で、長いイニングを任せられる。ただ、奪三振率が低い」と短評を残した。
さらにリリーフ部門には、ジョシュ・ヘイダー、ジョーダン・ヒックス、ロバート・スティーブンソンらとともに、松井裕樹をピックアップ。「28歳のマツイは市場でトップクラスの左腕。過去3シーズン、楽天で防御率1.42を記録した。汎用性が高いリリーバーで、クローザーがいるチームなら7回か8回を任せられる」と高い評価を付けている。
大谷翔平だけでなく、山本や今永、前田、上沢、松井といった日本人投手の去就にも米メディアは注目している。
構成●THE DIGEST編集部
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「FA投手市場は深い。今冬はどの球団も投手を求めている」とパッサン記者は記して、各球団の状況を説明。「カーディナルスは3人の先発を欲しがっている。レッドソックスはローテーションの軸を狙っており、ドジャースもローテーションを安定させる必要がある。ブレーブスは長期的に投手陣を強化したいと考え、ダイヤモンドバックスはザック・ギャレンとメリル・ケリーを狙っている。メッツのローテーションはコウダイ・センガ(千賀滉大)を除くと疑問のある投手しかいない。ナショナルズ、ロイヤルズ、パイレーツなど多くの球団が投手を探している」と伝えた。
そのうえで、「市場はこうした状況のため、FA(およびトレード市場)の投手は幸運なことに、自身の記録を更新するような契約を結ぶ可能性がある」と見通すと、今オフの全FA投手の筆頭に山本由伸の名前を挙げた。
「ショウヘイ・オオタニがFAでなければ、ヤマモトが今冬の目玉になっていたはずだ。過去3年に沢村賞を受賞。彼の残した数字は他の追随を許さない。2023年は164イニングを投げて169奪三振、28四球、許した本塁打はわずか2本。防御率は1.21を記録した。このクオリティーを持つ25歳がFA市場に出たのは、過去にさかのぼる。最も近いところで比較できるのは、沢村賞を二度受賞して14年に25歳でニューヨーク・ヤンキースに入団したマサヒロ・タナカ(田中将大)だ。彼は7年総額1億5500万ドルとポスティング料2000万ドルで契約した」
続けて山本の特長を「90マイル半ば以上の速球と、スプリッター、ループカーブ、ハードカッター、スライダー。そのすべてに威力がある。唯一の欠点は体格(178センチ・80キロ)かもしれないが、それは屁理屈というものだ」と記し、「各チームのスカウトとデータの数値に、同じように高評価される選手は珍しい」と驚きを込めて称賛している。
さらに「ヤマモトの金額がどれほど高くなるのかは分からないが、おそらく2億ドルから始まって、少しずつ上がっていくのだろう。投手史上最大の契約は、ゲリット・コール(8年総額3億2400万ドル)とスティーブン・ストラスバーグ(7年総額2億4500万ドル)だ」と、金額面について2人の投手を引き合いに出した。
「興味を示していると言われているのが、ヤンキース、メッツ、カブス、レッドソックス、ドジャースで、おそらくジャイアンツやブルージェイズもそうなのだろう。球団名を見る限り、ヤマモトは金額面でコールやストラスバーグの仲間になるかもしれない」
このようにFA投手部門のトップに山本をチョイスしたパッサン記者は、続けてFAの有力投手をランク付けした。ティア1にはブレイク・スネル、アーロン・ノラ、ジョーダン・モンゴメリーを入れ、ティア2にエデュアルド・ロドリゲス、ソニー・グレイ、そして今永昇太を入れている。「イマナガはヤマモトに似たサイズの30歳。この日本人左腕は8000万ドル以上の契約を視野に入れている」と記した。
ティア3には、ルーカス・ジオリト、マーカス・ストローマン、ジャリエル・ロドリゲスを入れ、「ロドリゲスは知られていないが、優れた投手だ。2020年から2022年に日本の中日ドラゴンズでリリーバーを務めていた。彼を見たことがあるスカウトは、強力なスライダーを投げ、圧倒的な存在感があると言っていた。26歳のキューバ人投手は5000万ドル以上の契約をかわす可能性がある」と評している。
ティア4には、セス・ルーゴ、ジャック・フラハティ、クレイトン・カーショウを入れた。ティア5には、マイケル・ロレンゼン、ショーン・マナエア、マイケル・ワカ、前田健太ら計9人を入れ、「彼らに共通しているのは、役割や怪我のせいでイニング数が不足している点。いずれも複数年契約なら年俸1000万ドル前後くらいになるはず」と見込んだ。
最後のティア6には、ランス・リン、リュ・ヒョンジン、ウェイド・マイリー、上沢直之ら計9人を挙げ、上沢については「信頼できる投手で、長いイニングを任せられる。ただ、奪三振率が低い」と短評を残した。
さらにリリーフ部門には、ジョシュ・ヘイダー、ジョーダン・ヒックス、ロバート・スティーブンソンらとともに、松井裕樹をピックアップ。「28歳のマツイは市場でトップクラスの左腕。過去3シーズン、楽天で防御率1.42を記録した。汎用性が高いリリーバーで、クローザーがいるチームなら7回か8回を任せられる」と高い評価を付けている。
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