いずれも、その選手が平均と比べてどれだけ失点抑止に貢献したかを示すもので、従来の守備率や失策よりも信頼性は高い。今回は、UZRでいい意味でも悪い意味でも際立った特徴を示した5人の選手を紹介しよう。
※データ提供:DELTA
得点圏打率.378に盗塁成功率90%以上...惜しくもMVPを逃した近本の貢献度の高さが光る【リーグ1位の男たち:セ・リーグ野手編】<SLUGGER>
■門脇誠(巨人)
原辰徳監督に“ストロング門脇”と命名された溌剌プレーで、ルーキーイヤーから何度も解説者を唸らせた。開幕直後から二遊間を守りながら出場機会を増やし、5月からは三塁へ。坂本勇人が戦列を離れた6月からは本職のショートへ移ると、坂本復帰後も定位置を譲らず、内野の守備の要としてチームを支え続けた。
三塁でのUZR11.7はリーグダントツ、遊撃での6.4も3位で、二塁も含めた全ポジション合算の18.0は堂々12球団トップ。俊敏かつ華麗なグラブさばきで何度も投手陣を助けながら、失策はわずか5の堅実さも光った。複数ポジションをこなした点がマイナス要素となったか、ゴールデン・グラブ賞は逃したが、間違いなくディフェンスで2023年を象徴する存在だった。
■龍空(中日)
幾多の名手が揃うショートで、12球団トップのUZR10.0を記録した。しかも、わずか682.2回の守備イニングで稼いだ数値だからすごい。フルシーズンにほぼ相当する1200イニングに出場していたら17.5となっていた計算で、これは昨季までの源田壮亮(西武)に近いレベルだ。
高卒3年目で線はまだ細いが、反応の速さと軽快な動きは若き日の今宮健太(ソフトバンク)を彷彿させる。イージーミスも散見され、打率.187の貧打も災いしてシーズン終盤は二塁に回されたが、ショートでこれだけ違いをもたらせる存在はかなり希少価値。精神面の成長と打撃向上で、来季こそ正遊撃手の座を不動のものとしたい。 ■近藤健介(ソフトバンク)
新天地へ移った今季は、打撃三冠を最後まで争った打棒だけではなく、好守でも貢献。主に守ったレフトでは球際での強さを何度も発揮し、リーグ最多の7補殺を記録した。UZR16.2は全ポジションのリーグベストで、自身初のゴールデン・グラブ賞獲得には「ずっと欲しかった賞」と喜んだ。
昨季もUZR5.4、2018年には8.2と優れた数値をマークしていたが、バットでの印象があまりにも大きい選手だけに、プロ入り後から取り組んだ外野守備で今季ほどの高値は意外だ。攻守両面での活躍から、総合的な勝利貢献値WAR8.3も12球団全選手トップで、7年総額50億円以上とも言われている大型契約の正当性を示した。
■村林一輝(楽天)
入団8年目にバットとグローブで存在感を示した。元々、守備力には定評があったが、昨季までは通算打率1割5分にも満たない打撃が課題で、一軍定着もままならず。今季も序盤は代走と守備固めがメインで6月半ばまでヒットが出なかったが、同月下旬からテーブルセッターを任されると安打を量産。守っては遊撃を中心に広い守備範囲と多彩なグラブさばきで、98試合の出場ながら内野手リーグベストのUZR10.2を記録した。
本人が来季の目標に見据えるゴールデン・グラブ賞では、6年連続受賞の源田壮亮(西武)という高い壁がそびえるが、チームにとっても遊撃守備はここ数年の懸案事項だった。本人も師と慕う今江敏明新監督1年目の来季は下位脱出のキーマンにも挙げられそうだ。
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得点圏打率.378に盗塁成功率90%以上...惜しくもMVPを逃した近本の貢献度の高さが光る【リーグ1位の男たち:セ・リーグ野手編】<SLUGGER>
■門脇誠(巨人)
原辰徳監督に“ストロング門脇”と命名された溌剌プレーで、ルーキーイヤーから何度も解説者を唸らせた。開幕直後から二遊間を守りながら出場機会を増やし、5月からは三塁へ。坂本勇人が戦列を離れた6月からは本職のショートへ移ると、坂本復帰後も定位置を譲らず、内野の守備の要としてチームを支え続けた。
三塁でのUZR11.7はリーグダントツ、遊撃での6.4も3位で、二塁も含めた全ポジション合算の18.0は堂々12球団トップ。俊敏かつ華麗なグラブさばきで何度も投手陣を助けながら、失策はわずか5の堅実さも光った。複数ポジションをこなした点がマイナス要素となったか、ゴールデン・グラブ賞は逃したが、間違いなくディフェンスで2023年を象徴する存在だった。
■龍空(中日)
幾多の名手が揃うショートで、12球団トップのUZR10.0を記録した。しかも、わずか682.2回の守備イニングで稼いだ数値だからすごい。フルシーズンにほぼ相当する1200イニングに出場していたら17.5となっていた計算で、これは昨季までの源田壮亮(西武)に近いレベルだ。
高卒3年目で線はまだ細いが、反応の速さと軽快な動きは若き日の今宮健太(ソフトバンク)を彷彿させる。イージーミスも散見され、打率.187の貧打も災いしてシーズン終盤は二塁に回されたが、ショートでこれだけ違いをもたらせる存在はかなり希少価値。精神面の成長と打撃向上で、来季こそ正遊撃手の座を不動のものとしたい。 ■近藤健介(ソフトバンク)
新天地へ移った今季は、打撃三冠を最後まで争った打棒だけではなく、好守でも貢献。主に守ったレフトでは球際での強さを何度も発揮し、リーグ最多の7補殺を記録した。UZR16.2は全ポジションのリーグベストで、自身初のゴールデン・グラブ賞獲得には「ずっと欲しかった賞」と喜んだ。
昨季もUZR5.4、2018年には8.2と優れた数値をマークしていたが、バットでの印象があまりにも大きい選手だけに、プロ入り後から取り組んだ外野守備で今季ほどの高値は意外だ。攻守両面での活躍から、総合的な勝利貢献値WAR8.3も12球団全選手トップで、7年総額50億円以上とも言われている大型契約の正当性を示した。
■村林一輝(楽天)
入団8年目にバットとグローブで存在感を示した。元々、守備力には定評があったが、昨季までは通算打率1割5分にも満たない打撃が課題で、一軍定着もままならず。今季も序盤は代走と守備固めがメインで6月半ばまでヒットが出なかったが、同月下旬からテーブルセッターを任されると安打を量産。守っては遊撃を中心に広い守備範囲と多彩なグラブさばきで、98試合の出場ながら内野手リーグベストのUZR10.2を記録した。
本人が来季の目標に見据えるゴールデン・グラブ賞では、6年連続受賞の源田壮亮(西武)という高い壁がそびえるが、チームにとっても遊撃守備はここ数年の懸案事項だった。本人も師と慕う今江敏明新監督1年目の来季は下位脱出のキーマンにも挙げられそうだ。
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