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プロ野球

36歳のマイナー契約から這い上がった斎藤、田口は一時2Aまで降格も..【低評価を覆した侍メジャーリーガーたち】<SLUGGER>

藤原彬

2024.01.12

左から斎藤、岩隈、田口。いずれも渡米当初の評価は決して高くはなかった。(C)Getty Images

左から斎藤、岩隈、田口。いずれも渡米当初の評価は決して高くはなかった。(C)Getty Images

 このオフは大谷翔平、山本由伸の超大型契約が日本だけでなくアメリカでも大きな話題を集めている。一方、過去には入団時の低評価を覆してメジャーで居場所を確立した日本人選手も少なくない。実力でチャンスをつかみ取った侍たちの雄姿を今一度振り返ってみよう。

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■岩隈久志(2012~2017)
 2008年に楽天でMVPと沢村賞を同時受賞。09年にはWBCでも好投し、NPBを代表する投手として翌10年オフにポスティングでメジャー移籍を目指したが、アスレティックスから提示された4年1525万ドルの契約には合意せず。11年オフに海外FA権を取得したが、前年を大きく下回る1年150万ドル+出来高の格安提示を呑んでマリナーズに入団した。

 開幕から半月以上も登板なしと当初は冷遇されていたが、地道に結果を残してオフに2年1400万ドルの延長契約を獲得。すると13年はリーグ3位の防御率2.66を記録してサイ・ヤング賞投票でも3位に入る大活躍を見せる。15年には日本人選手史上2人目のノーヒッター、16年も16勝を挙げるなどマリナーズの主戦投手として高騰を続け、当初の低評価を見事に覆した。
■斎藤隆(2006~2012)
 映画のようなオールドルーキーの夢物語を描いた。05年オフに渡米を決断したが、すでにベテランの域に入っていたこともあり、メジャー契約は獲得できず。06年2月、36歳の誕生日直前にマイナー契約でドジャースに入団する。

 開幕も3Aだったが、直後に昇格のチャンスを得ると快投の連続でクローザーに就任。速球は自己最速97マイルを計時し、チーム最多の72試合に登板&救援投手両リーグ最多の107奪三振を記録するなど、誰もが予想しない活躍を見せた。2年目はリーグ4位の39セーブを挙げてオールスターに選出。メジャー1年目から5年連続45登板以上&防御率2点台と抜群の安定感を誇り、通算防御率2.34は今でも日本人投手歴代ベストの記録として残る。

■青木宣親(2012~2017)
 史上唯一の年間200安打を2回、首位打者3度の実績を引っ提げ、11年オフにポスティングでのメジャー挑戦を目指した。だが、交渉権を獲得したブルワーズの入札額はわずか250万ドル。NPBで実績を残した日本人選手としては異例のワークアウトを経て、2年250万ドルの格安契約で入団にこぎ着けた。

 だが、シーズンが始まるとリードオフに定着して規定打席をクリアして打率.288、10本塁打、30盗塁と合格点の成績を残す。翌年はロイヤルズに移籍してワールドシリーズ出場も果たした。その後も多くのチームを渡り歩きながら、毎年必ず.280前後の打率を残す安定感抜群の巧打者として活躍を続けた。
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