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オーナーの“緊縮財政”方針に加えて1年目の成績への不満も?...吉田正尚にトレード説が浮上する「3つの理由」を解説<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2024.01.07

まだメジャー1年目を終えたばかりの吉田になぜ放出の噂が出るのか?(C)Getty Images

まだメジャー1年目を終えたばかりの吉田になぜ放出の噂が出るのか?(C)Getty Images

 吉田正尚(レッドソックス)にトレードの噂が浮上している。昨オフに5年9000万ドルの大型契約で入団し、まだ1年目を終えたばかり。そんな選手に早くも移籍の噂が出るなど、日本では考えられない話だ。その背景をいくつかのポイントに分けて解説しよう。

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▼編成トップの交代
 レッドソックス昨オフ、吉田の交渉が解禁されるや否や、他のどのチームよりも早く接触して、相場を大きく上回るオファーを提示して電撃契約をまとめた。だが、その交渉をまとめた編成トップのハイム・ブルームCBOは昨季終了直前に解任された。

 新たに就任したクレイグ・ブレズロウCBOは当然、前任者とは違うビジョンを持っており、“独自色”を出したいとも考えているはず。新たなチーム構想の中で、一つの選択肢として吉田のトレードが浮上したということだろう。

▼オーナーの“緊縮財政”方針
 レッドソックスはMLB屈指の人気球団で、球団資産価値46億ドルはヤンキース、ドジャースに次いで球界3位。にもかかわらず、オーナーのジョン・W・ヘンリーは近年、大型補強には及び腰で、このオフも厳しい「予算制限」を課している模様だ。

 実際、昨年末には元エース左腕のクリス・セールをブレーブスへトレード。さらに、吉田以外にクローザーのケンリー・ジャンセンにも放出の噂が出ている。
 チームは現在、右打ちのスラッガーと先発投手の補強を目指しているが、それは別のトレードで資金を浮かせてから、というのがもっぱらの見方だ。

▼1年目の成績が期待外れだった?
 もう一つ、現地メディアから聞こえてくるのは、吉田の1年目の成績に対する評価が芳しくないという事実だ。

 打率.289、15本塁打、OPS.783という成績は傍目には決して悪くはないように思える。だが、レフトという攻撃力重視のポジションであること、守備力がマイナスであること、そして契約額の大きさを考えると、合格点とも言い難い。

 事実、もし吉田が実際にトレードされる場合、レッドソックスは残り契約の一部を負担するか、もしくは相手チームから高額年俸の選手を引き取るかしなければならないだろうとも言われている。

 ただ、それなら逆にこのタイミングで吉田を放出するメリットも少ないように思える。鈴木誠也(カブス)がそうだったように、MLBの環境に慣れ、適応力を高めることで打撃成績が伸びる可能性は十分あるからだ。

 そもそも、地元メディアの報道をよく読むと、レッドソックスが積極的に吉田を放出しようとしている訳では必ずしもなく、「チーム強化のためにあらゆる選択肢を検討している」というニュアンスが濃い。

 果たして吉田はどのチームのユニフォームを着て2024年の開幕を迎えるのか。2年連続最下位からの浮上を目指すブレズロウCBOの決断に注目が集まる。

文●SLUGGER編集部

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