プロ野球

ロッテのコーチが明かす佐々木朗希の現状と育成法「耐えられる体を作れば、あとは勝手に伸びていく」

岩国誠

2020.01.15

菊池大祐1軍ストレングスコーチは、佐々木朗の走りを見て「体力的にどうかなと思っていたんですが、しっかり動けている」と語った。写真:THE DIGEST写真部

 ロッテ・新人合同自主トレ、第2クール初日の14日。休み明けとなったこの日は、ドラフト1位・佐々木朗希ら7名の新人たちが揃って姿を現し、第1クールより少し負荷の上がったトレーニングメニューをこなした。

 午前中には、各球団の新人合同自主トレで毎年見かける「YO-YO テスト」を実施。今回の「YO-YOテスト」は、体が出来上がっていない新人たちということもあり、限界まで行う通常の体力テストではなく、走行距離に「上限」を設定。ロッテ所属選手の平均距離1,600~1,700mより短い1,400mで行なわれた。

 中盤あたりから、息が上がる選手も出始めたが、最終的には全7選手がなんとか1,400mを「完走」。初体験となった佐々木朗も「疲れました。(1,400m以上は)身体的にもですが、精神的にも辛かったと思います」と、走るのは得意ではないと語っていたゴールデンルーキーにとって、このメニューは堪えた様子だった。
 
 その佐々木朗を「体力的にどうかなと思っていたんですが、しっかり動けている。他の選手と比べても、例年と遜色ないくらいの体力レベル」と見ているのが、新人たちのトレーニングを預かる菊池大祐1軍ストレングスコーチ。その菊池コーチがトレーニング中、「ゆっくりと」「落ち着いていこう」「自分のペースでいい」と、佐々木朗を含めた各選手たちへ、しきりに声をかけていたのが印象的だった。

「ある程度、厳しくやっていた学校と、彼(佐々木)のいた学校では、完全に一致しない練習内容もあると思うので、彼にあったやり方で、段階的に上げていこうかなと思っています。もちろんキャンプインへ向け、コントロールをしながら(状態を)上げていきますけど、本当に長期的に考えて、ちょっとずつ状態を上げていく。体的にも、投げることも。今の状況は、まだ確認しているような作業ですね」

 近年のロッテは、二木康太、岩下大輝、種市篤暉と高卒入団組が先発ローテーションに欠かせない存在となってきた。そこに、佐々木朗希育成のヒントがあるのではないかと思い、彼らの成功の理由について、尋ねてみた。