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プロ野球

【西武】室内練習場に響いた異質な鈍い音… 小気味よい打球音の中で、黙々とキャッチング練習を続けた古賀悠斗の覚悟

岩国誠

2025.02.15

室内練習場でキャッチング練習を行なう古賀。写真:岩国誠

室内練習場でキャッチング練習を行なう古賀。写真:岩国誠

 西口文也新監督の下、チーム再建に向けて新たなスタートを切った埼玉西武ライオンズ。宮崎・南郷で行われている一軍春季キャンプの室内練習場では、初日から多くの若獅子たちが時間の許す限り、次々とバットを振る姿を目にすることができた。

「カーン!カーン!」。全体練習終了後の室内練習場からは、第2クールに入っても木製バットが奏でる小気味よい打球音が聞こえてくる。その中で時折「バシン!」という、鈍い異質な音が混じっていることに気がついた。

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 音の発生源は見学するファンからは見えづらいバッティングマシン一番端のレーン。近づいてみると、黙々とキャッチング練習を行なっている4年目の25歳、捕手・古賀悠斗の姿があった。
 
 最初はひとりだったが、途中から他の野手相手に打撃投手をしていた中田祥多一軍バッテリーコーチが合流。ひたすらボールを捕り続けるだけのマンツーマンレッスンは2時間にも及んだ。気がつけば、賑やかだった打球音は止み、古賀のミットの音だけが室内練習場に響いていた。

 昨年、91敗を喫した大きな要因の一つは12球団ワーストだった得点力不足である。ほとんどの野手が個人練習の時間をバッティングに費やしているのは当然のことだ。しかし、古賀はなぜ個人練習の時間をキャッチングに費やしているのか。

「僕はキャッチングがあまり上手ではないので、少しでもピッチャーを助けたいというところと、自分の技術を向上したいというのがあってやっています」

 具体的にはどういうことに取り組んでいるのか。中田コーチが詳しく話してくれた。

「『正確に、最速に』というところを求めてやっています。彼(古賀)のキャッチング動作は、どうしても大きい動き、無駄な動きが多くなってしまっていたので、端折れるところ(無駄な動き)は端折って行こうということで初日からやってきています。(捕球時の)ミットのタイミングの取り方や、動き出しにも大きな動作があったので、ちょっとずつ潰して行こうというところです」

 翌日行なわれたライブBP。古賀がキャンプに帯同しているNPB審判員にミットの動きを見せながら、球審からの見え方を確認しているような場面があった。その姿を見ながら、西口監督はキャンプイン直前にこんな話をしていたことを思い出した。

「選手一人ひとりが勝ちに対する意識というか、そういうところを強く持って、自分たちでも考えてやっていけるようにっていうところを踏まえながら、このキャンプをやっていきたい」
 
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