開幕一軍入りを目指し、若獅子たちが連日アピールを続けている西武一軍キャンプ。対外試合2試合目となる23日の韓国プロ野球・ロッテジャイアンツ戦で、期待の２年目、23歳の村田怜音が逆転3ランを放ち、その長打力で存在感をアピールした。

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　前日の斗山ベアーズ戦では途中出場で二塁打を放った村田だが、この日は５番一塁でスタメン出場。「スタメンなので、絶対に1本打ちたい」と心に決めて試合に臨んだ。
  　２点を追いかける３回裏、２死から新外国人のネビンとセデーニョが連打で出塁し、一、二塁のチャンスで打席が回ってきた。第一打席はフルカウントから低めのボールに見逃し三振。気持ちを切り替えて打席に入ると、外のスライダーをしっかり捉え、左中間スタンドへ叩き込んだ。

「風がなかったら入っていなかったかもしれませんが、良い形で（バットの）芯には当たったので、やってきたことがしっかり積み重なってきていると感じています」

　このキャンプでは西口文也監督から、左肩が入りすぎているという点を指摘されており、その部分の修正に取り組んでいる中で最高の結果を出した。

「自分のフォームはずっと左肩が（ホームベース側に）入って打ちにいく形で、ジャストミートした時の破壊力、タイミングがあった時の飛距離は出るのですが、それだと少し崩れた時や、タイミングを外された時の確率が悪くなると監督やコーチの方に言われて、肩を極力入れないように、真っ直ぐ打席に立つことを意識してきました」

　ホームランを打てた要因はもう一つあった。それは1球前のスライダーを空振りした時に、村田の頭の中で巡った思考だ。

「もう１球スライダーが来るんじゃないか、誘ってくるんじゃないかと。１年目よりも配球を読めるようになってきて、前の自分だったら強引に行って三振していたところだと思いますが、少し冷静になれたというか、打席の中で余裕が出てきたので、それもひとつの要因だと思います」

　この日のホームランだけでなく、村田は紅白戦を含めたここまでの実戦４試合で全てヒットを記録。成長を感じさせるような結果を残してきているが、本人はどのような手応えを感じているのか。

「（ホームランが）１本出てほっとしている反面、他の４打席で打てるボールもあったので、もったいなかったという気持ちが大きいです。どちらかというと気分はどんよりしている感じがあります」

　どんよりした気持ちの原因は、ホームランを打った直後の第３打席、４回２死満塁の場面で見逃し三振を喫したことだ。西口監督も試合後にホームランを評価しつつ、「あそこでスイングをかけられたら、なお良かった」と指摘している。

「監督にも『満塁でみのさん（見逃し三振）は…』って言われました。あの場面では『絶対にフォークが来る』というのは頭にあったのですが、低めを想定していたところにフォークが抜けてストライクゾーンの真ん中に来たので、びっくりして手が出せませんでした。配球を読むという点は徐々にできるようになってきたので、あとはどの高さを待つか、どのゾーンを待つかをもっと勉強しなければならないと思いました」

　結果に対してネガティブになるのではなく、できたこととできなかったことを冷静に認識し次に備える。村田の準備に対する高い意識の一端が垣間見えた。