2025年の第97回選抜高校野球は、横浜高の19年ぶり4度目の優勝で幕を閉じた。智弁和歌山高との対戦となった3月30日の決勝戦、MVPを選ぶとなればやはり阿部葉太(3年・中堅手)になるだろう。
第1打席は打球が一塁走者に当たる守備妨害で出塁すると(記録は二塁内野安打)、すかさず盗塁を決めて、続く奥村頼人のタイムリーで先制のホームイン。ちなみに盗塁は普通にスタートを切るのではなく、遅れてスタートを切るディレイドスチールで、智弁和歌山バッテリーの隙を突くものだった。
1対1の同点で迎えた3回にはレフト線への2点タイムリーツーベースを放って勝ち越し。打ったのは外角高めのボールだったが、その前に内角の速いストレートを見せられてライトへのファウルを打った後にもかかわらず、身体をしっかり残して逆方向に鋭く打ち返せるのは見事という他ない。
6回にも先頭打者でレフト前ヒットを放ってチャンスを作ると、このイニング2度目の打席にはセカンドへのタイムリー内野安打も放ってスピードがあるところを見せた。
また守備でも6回表のツーアウト三塁の場面で、あわやタイムリーというセンター前へのフライをダイビングキャッチするファインプレーも見せている。もしこれがヒットなら1点差に追い上げられていただけに、値千金の守備だったと言えるだろう。決勝戦だけでなく、大会を通じて打撃、守備、走塁全てにおいて際立ったプレーを見せており、名実ともに高校生No.1外野手となった印象を受けた。
文●西尾典史
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
第1打席は打球が一塁走者に当たる守備妨害で出塁すると(記録は二塁内野安打)、すかさず盗塁を決めて、続く奥村頼人のタイムリーで先制のホームイン。ちなみに盗塁は普通にスタートを切るのではなく、遅れてスタートを切るディレイドスチールで、智弁和歌山バッテリーの隙を突くものだった。
1対1の同点で迎えた3回にはレフト線への2点タイムリーツーベースを放って勝ち越し。打ったのは外角高めのボールだったが、その前に内角の速いストレートを見せられてライトへのファウルを打った後にもかかわらず、身体をしっかり残して逆方向に鋭く打ち返せるのは見事という他ない。
6回にも先頭打者でレフト前ヒットを放ってチャンスを作ると、このイニング2度目の打席にはセカンドへのタイムリー内野安打も放ってスピードがあるところを見せた。
また守備でも6回表のツーアウト三塁の場面で、あわやタイムリーというセンター前へのフライをダイビングキャッチするファインプレーも見せている。もしこれがヒットなら1点差に追い上げられていただけに、値千金の守備だったと言えるだろう。決勝戦だけでなく、大会を通じて打撃、守備、走塁全てにおいて際立ったプレーを見せており、名実ともに高校生No.1外野手となった印象を受けた。
文●西尾典史
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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