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西武から電撃トレードで加入! 選球眼とパンチ力を兼備する佐藤龍世は得点力不足に苦しむドラゴンズ打線の救世主になる?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.06.16

昨季後半戦はクリーンアップに定着していた佐藤。新天地ドラゴンズでの活躍が期待される。写真:産経新聞社

 6月15日、中日は金銭トレードで西武から佐藤龍世を獲得したことを発表した。

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 現在28歳の佐藤は北海高から富士大を経て2018年ドラフト7位で西武に入団。21年8月にトレードで日本ハムに移り、23年に西武に復帰していた。今回がプロ7年目で3度目の移籍となる。

 昨季は自己最多の93試合に出場し、打率.244、7本塁打、34打点、OPS.720を記録。8月中旬以降はクリーンナップを任されていた。しかし今季はオープン戦期間中に寝坊で三軍に降格。開幕後もずっとファーム調整が続いていた。守備位置は主に三塁で二塁や一塁もこなし、ファームでは外野を守った経験もある。

 一方の中日は開幕正三塁手の石川昂弥が打撃不振に陥り、高橋周平が先日の楽天戦で故障離脱。三塁の層が薄くなっていたことから、佐藤に白羽の矢を立てた形だ。

 そうした台所事情を抜きにしても、佐藤の加入は得点力不足に悩む中日打線にとって大きなプラスになる可能性を秘める。
 佐藤の最大の持ち味である選球眼は、昨今のドラゴンズ打線に欠けている要素だからだ。

 佐藤は23年に四球率16.3%、昨季も10.7%と優れた出塁能力を発揮。一方、ドラゴンズ打線は24年の四球率が12球団中11位(6.1%)、今季もここまで10位(6.5%)と低迷している。粘って四球をもぎ取る佐藤のような打者はチームでも貴重な存在となるだろう。

 さらに水準以上のパワーも備えており、昨季は総合的な打撃の傑出度を測る指標wRC+で130を記録。これはリーグの平均的な打者より30%多くの得点を生み出すことを意味する。ちなみに、今季のドラゴンズ打線で130を超えているのは上林誠知(148)と岡林勇希(147)しかいない(100打席以上)。

 右ハムストリングの故障から復帰間近とみられる細川成也と併せて打線のカンフル剤となることが期待される佐藤。今春の寝坊事件に加え、20年には首都高速でスピード違反を犯す不祥事もあったが、今度こそ心機一転、ドラゴンズを安住の地としてほしい。

構成●SLUGGER編集部

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