セントルイスは横長の形をしているミズーリ州の右(東)端、ミシシッピ川を渡ればイリノイ州という場所に位置している。縦長のイリノイ州の右上(北東)にあるシカゴからは車で南南西におよそ4時間半。長距離運転が好きなアメリカ人にとっては楽勝らしく、昔からカーディナルス対カブスの試合は、どちらの本拠地でも赤(カーディナルス)と青(カブス)が観客席を分け合うことになる。
【動画】今永昇太、東京シリーズでの開幕戦登板も含む今季序盤のハイライト
6月26日の日曜日、今永昇太投手が敵地セントルイスのブッシュ・スタジアムのベンチから姿を表すと、その瞬間を待ちかねていた三塁側の青色軍団が立ち上がって声援を送った。
5月4日のブルワーズ戦で一塁ベースカバーに入った際、左太腿裏を傷めて故障者リスト(IL)入りした左腕の復帰戦である。当然、「Welcome back, Shota(昇太、お帰り)!」という声が圧倒的多数を占めたが、その中で「You can do it(キミならできる)!」という掠れた声を聞いた。普遍的な励ましの声なのに、そのひと言がなぜか気になり、「何ができる?」、「復帰登板で好投するって意味?」と思いつつ、『もしかしてカーディナルスとのシリーズをイーブンにするってことか?』という考えに行き着いた。
いやいや、それは期待しすぎだろ。復帰したばかりで、クレイグ・カウンセル監督ですら数日前には「いきなりフル稼働というわけにはいかない」と言っていたぐらいだ。いくらカーディナルスとカブスが長年に渡ってナショナル・リーグ屈指のライバル関係にあり、今回のシリーズは1勝2敗で最終戦を迎えたからといって、いきなりそこまで期待していいものか? と思ったが、同じように考えている人が他にもいた。
「幸せなことに、チームが今まで良い戦いをしてくれたおかげで、リハビリから復帰する登板ではなく、セントルイスとのシリーズを2勝2敗にするんだって気持ちで臨めたのが、今日は良かった」
そう言ったのはもちろん、今永昇太である。この日の球数制限は、普通なら5回投げきれるかどうかの70~80球だったから、味方打線が序盤で大量点でも取らない限り、勝敗はつきにくいはずだった。ところが、今永が5回を内野安打1本のみの無失点に抑え、2対0でマウンドを降りると、救援投手陣もカーディナルス打線を抑えきり、4月29日のパイレーツ戦以来約1ヵ月ぶりとなる今季4つ目の勝ち星がついた。 「まだ、すべてのボールを完璧に操れているわけじゃなかったので、味方の守備も良いプレーがいっぱいありましたし、捕手の(カーソン・)ケリーも良いリードをしてくれたので、自分が良かったっていうよりは周りに救われました」
ハイライトはいきなり訪れた。先頭打者の1番ブレンダン・ドノバンが2球目を引っ掛けて一塁ゴロを放った。一塁ベースカバーに走る今永を見て、多くの人が「怪我した時と同じプレーだ!」と冷や汗をかいたことだろう。
「あそこでしっかり冷静に打球を処理できたので、僕もホッとしたし、チームとしてもホッとしてくれたのかなと思います」と今永。実はマイナーでのリハビリ登板3試合で計10回1/3、打者37人と対戦したが、今永が一塁ベースカバーに入ることは一度もなかった。復帰登板の3日前、彼自身がこう話している。
「リハビリ期間中にベースカバーのプレーがなかったんで、(患部の反応を)確認できなかったんですけど、ランニングでも怪我前より速いスピードを出せてますし、しっかり調整期間の中で、試合で出す走力より早いものを出していれば、試合で怪我をし難いと思うので、そこはまずクリアできたのが大きいと思う」
今永は復帰登板で77球を投げているが、速球の最速は92マイル、平均では90マイルを少し上回る程度だった。しかし、一塁ベースカバーを難なくこなした直後、2番メイシン・ウィンが遊撃への内野安打を放った打席で、すでに彼の真骨頂は発揮されていた。
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6月26日の日曜日、今永昇太投手が敵地セントルイスのブッシュ・スタジアムのベンチから姿を表すと、その瞬間を待ちかねていた三塁側の青色軍団が立ち上がって声援を送った。
5月4日のブルワーズ戦で一塁ベースカバーに入った際、左太腿裏を傷めて故障者リスト(IL)入りした左腕の復帰戦である。当然、「Welcome back, Shota(昇太、お帰り)!」という声が圧倒的多数を占めたが、その中で「You can do it(キミならできる)!」という掠れた声を聞いた。普遍的な励ましの声なのに、そのひと言がなぜか気になり、「何ができる?」、「復帰登板で好投するって意味?」と思いつつ、『もしかしてカーディナルスとのシリーズをイーブンにするってことか?』という考えに行き着いた。
いやいや、それは期待しすぎだろ。復帰したばかりで、クレイグ・カウンセル監督ですら数日前には「いきなりフル稼働というわけにはいかない」と言っていたぐらいだ。いくらカーディナルスとカブスが長年に渡ってナショナル・リーグ屈指のライバル関係にあり、今回のシリーズは1勝2敗で最終戦を迎えたからといって、いきなりそこまで期待していいものか? と思ったが、同じように考えている人が他にもいた。
「幸せなことに、チームが今まで良い戦いをしてくれたおかげで、リハビリから復帰する登板ではなく、セントルイスとのシリーズを2勝2敗にするんだって気持ちで臨めたのが、今日は良かった」
そう言ったのはもちろん、今永昇太である。この日の球数制限は、普通なら5回投げきれるかどうかの70~80球だったから、味方打線が序盤で大量点でも取らない限り、勝敗はつきにくいはずだった。ところが、今永が5回を内野安打1本のみの無失点に抑え、2対0でマウンドを降りると、救援投手陣もカーディナルス打線を抑えきり、4月29日のパイレーツ戦以来約1ヵ月ぶりとなる今季4つ目の勝ち星がついた。 「まだ、すべてのボールを完璧に操れているわけじゃなかったので、味方の守備も良いプレーがいっぱいありましたし、捕手の(カーソン・)ケリーも良いリードをしてくれたので、自分が良かったっていうよりは周りに救われました」
ハイライトはいきなり訪れた。先頭打者の1番ブレンダン・ドノバンが2球目を引っ掛けて一塁ゴロを放った。一塁ベースカバーに走る今永を見て、多くの人が「怪我した時と同じプレーだ!」と冷や汗をかいたことだろう。
「あそこでしっかり冷静に打球を処理できたので、僕もホッとしたし、チームとしてもホッとしてくれたのかなと思います」と今永。実はマイナーでのリハビリ登板3試合で計10回1/3、打者37人と対戦したが、今永が一塁ベースカバーに入ることは一度もなかった。復帰登板の3日前、彼自身がこう話している。
「リハビリ期間中にベースカバーのプレーがなかったんで、(患部の反応を)確認できなかったんですけど、ランニングでも怪我前より速いスピードを出せてますし、しっかり調整期間の中で、試合で出す走力より早いものを出していれば、試合で怪我をし難いと思うので、そこはまずクリアできたのが大きいと思う」
今永は復帰登板で77球を投げているが、速球の最速は92マイル、平均では90マイルを少し上回る程度だった。しかし、一塁ベースカバーを難なくこなした直後、2番メイシン・ウィンが遊撃への内野安打を放った打席で、すでに彼の真骨頂は発揮されていた。
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