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MLB

【2010年代シーズン別プレイバック:後編】カブス108年ぶり世界一、大谷が新人王受賞、そしてイチローが引退した2010年代後半を振り返る

城ノ井道人

2020.04.08

18年にエンジェルスに入団した大谷は、二刀流の活躍で見事新人王を受賞した。(C)Getty Images

18年にエンジェルスに入団した大谷は、二刀流の活躍で見事新人王を受賞した。(C)Getty Images

▼2017年
【ワールドチャンピオン】
ヒューストン・アストロズ(球団史上初)

【主な出来事】
▶第4回WBCでアメリカが初優勝(3月)
▶クリーブランド・インディアンスがア・リーグ新の22連勝(9月)
▶アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が新人史上初の50号本塁打(9月)
▶デレク・ジーターがマーリンズのCEOに(9月)
▶ヒューストン・アストロズが球団史上初の世界一(11月)

 史上最多となる6105本ものホームランが乱れ飛ぶ打高投低のシーズン。「フライボール革命」が流行語になったのもこの年だ。アーロン・ジャッジ(ヤンキース)はMLB新人記録を更新する52本塁打を放ってタイトルを獲得すると、コディ・ベリンジャー(ドジャース)もナ・リーグの新人本塁打記録を更新。ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)は8月だけで18ホーマーを量産し、史上6人目のシーズン60本塁打まであと1本に迫った。

 ヤンキースはジャッジに加えてゲリー・サンチェスやルイス・セベリーノら若手が台頭し、プレーオフでもシーズン中に22連勝を記録したインディアンスを撃破するなど、チーム再生を印象付けた。ワールドシリーズは7月にレンジャーズからダルビッシュ有を獲得したドジャースと、若手育成とデータ重視のチーム作りで台頭したアストロズの対戦。ドジャースはダルビッシュが第3戦に続いて第7戦でも炎上し、アストロズが球団創設以来初の世界一に輝いた。だが、19年になってアストロズがこの時期サイン盗みを行っていたことが発覚。「世界一を剥奪すべき」との声もあったが、そのような処分は下されなかった。

 他の主なニュースでは、シーズン開幕前の3月に行われた第4回WBCでアメリカが初優勝。8月には、デレク・ジーターを含むオーナーグループがマーリンズを買収し、ジーターはCEOに就任して話題を集めた。
 
▼2018年
【ワールドチャンピオン】
ボストン・レッドソックス(5年ぶり9回目)

【主な出来事】
▶大谷翔平がロサンゼルス・エンジェルスに入団
▶イチローがシアトル・マリナーズに復帰(3月)
▶タンパベイ・レイズの新戦略オープナー登場
▶ロビンソン・カノー(マリナーズ)が禁止薬物使用で出場停止(5月)
▶ジョー・マウアー(ツインズ)、デビット・ライト(メッツ)が現役引退

「現代のMLBで二刀流は可能なのか?」――その問いに真っ向から挑戦した大谷翔平(エンジェルス)は、99年ぶりの20本塁打&50イニングを達成して新人王を獲得。右ヒジの故障でトミー・ジョン手術を受けることになったとはいえ、二刀流の可能性を大きく広げるエポックメイキングな活躍だった。5月には、レイズが救援投手に1イニング目を任せる「オープナー」という新戦術を採用。他のチームも追随し、二刀流と並んで球界の新たな潮流となった。

 FA市場の冷え込みが話題になったのもこの年で、年が明けても所属先が決まらない選手が続出。FA市場最大の目玉だったJD・マルティネスの去就が決まったのもキャンプ開始後だったが、彼を獲得したレッドソックスは強力打線を武器に開幕から快走して球団史上最多の108勝を挙げ、ポストシーズンでも圧倒的な強さで世界一に輝いた。

 ナ・リーグではクリスチャン・イェリッチ(ブルワーズ)が三冠王まであと一歩に迫る活躍を演じてMVPを受賞。ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、ホアン・ソト(ナショナルズ)の両新人の活躍が話題を呼んだ。2人は11月に行われた日米野球にも揃って参加し、日本のファンを沸かせた。
 

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