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侍ジャパン

【節丸裕一のとっておき話】「ありがとう、王ジャパン」と言って放送を終えると、涙が出てきた|第1回WBC後編

節丸裕一

2020.05.01

 そんな大会で、日本が決勝まで進んだ。心の底から応援していたけど、正直、優勝する可能性が高いとは思っていなかったので、僕も頭の整理がよくできていない状況で決勝の夜を迎えたのを覚えている。

 決勝の相手はキューバ。誰もが認めるアマチュア最強国。日本も過去の五輪ではキューバに負け続けてきた。1996年アトランタの決勝で日本の金メダルを阻止したのもキューバ。バルセロナで野球が正式種目になってからシドニーまで、五輪でのキューバ戦は5戦全敗だった。

 でも、WBCの決勝の先発は松坂大輔。アテネでキューバ打線を完璧なまでに抑え込み、日本に五輪でのキューバ戦初白星をもたらしたのが松坂だった。4番にはアトランタの決勝で一度は同点に追いつく満塁本塁打を放った松中信彦、当時の最年少19歳で活躍した福留もいた。そしてチームを引っ張るのは、日本が誇る史上最高級の選手イチローだ。気持ちが高揚しきっていた僕は、日本が決勝で負けることはまったく想定せず、世界一になることを確信して放送に臨んだ。
 
 勝者の価値を伝えるには、敗者の価値を伝えなければいけない。キューバがいかに強いチームなのか、どんな歴史があるのか、この大会に出場するためにどれだけ譲歩してきたか。

 キューバのフィデル・カストロ議長は学生時代にはメジャーリーグ選抜を相手に好投し、契約のオファーもあったが、それを蹴って学生闘争に身を投じたという。野球には熱かったと伝え聞く。キューバがWBCの分配金全額をアメリカのハリケーン被害者に寄付したことも思い出した。僕なりに調べ、取材したことを整理して、そこはしっかり伝えようと努めた。

 当時は亡命以外にメジャーリーグや日本でプレーすることはできなかったが、後にメジャーリーグでプレーするユリ・グリエルとアレクセイ・ラミレス、日本でプレーするセペダがいた。
 

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