専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

クローザーにとって「一番大事」なものは…松井裕樹が“パパ“になる5か月前に明かした“家族“への感謝

2020.05.05

「家族を守る存在になりたい」“パパ”松井はとにかく家族愛にあふれた男だった。写真:田中研治

「家族を守る存在になりたい」“パパ”松井はとにかく家族愛にあふれた男だった。写真:田中研治

 家族? いや確かにそうかもしれないが……、ある意味、“普通”の答えだなと感じた。直後、そんな自分の考えがいかに浅かったのかと思い知らされる。

「中継ぎ投手というのは、切り替えが大事です。前日に失敗しても、また同じ場面で登板することが普通です。だからこそ、気持ちをいかにリセットするか。僕は“頭が
身体を支配している”と感じることが多々あります。

 例えば、打たれた時の悔しい気持ちのまま寝てしまうと、翌日に身体の張りが出たりするんです。ですが、気持ちを切り替えて『明日また頑張るぞ』という気持ちで寝たら、身体の張りが違ってきます。妻はポジティブな性格なので、本当に僕の気持ちをきれいにリセットさせてくれて、また翌日に向かって、頑張るような環境を整えてくれますね」

 投球面やフォームの工夫も、好投の要因であったと認めた上で、何よりも「心」が大事だと言うのだ。
 
 チームの最後の勝利を締めくくるクローザーの重圧は、計り知れないものがある。失敗すれば球場内だけでなく、SNSなどでも批判の声が届いてしまう。しかも松井は、高卒1年目から一軍のマウンドに上がり、10代の頃からクローザーを任されてきた。常にプレッシャーと向き合い続けてきたのである。
 
 だからこそ、文字通り“心を支えてくれる”夫人の存在が糧になったのだ。強く言い切った松井の言葉には、確かな感謝と愛情があった。そして最後に、「一人の人間としての目標」を訊ねた時、松井はこれから産まれてくる、新しい命への思いも口にした。

「多くの方から信頼される人になりたいですね。野球選手としてもそうですけど、結婚もして、奥さんのお腹には子供もいます。家族を守っていかなきゃいけないわけです。大事な存在を支え、多くの人から頼られる人になりたいですね。

 そして、『松井がマウンドに行ったら大丈夫』、『大事な試合だから松井に託したい』って思ってもらえるように、ファンの方や仲間から信頼され、託されるような選手になりたいです」

 守るべき存在が一つ増えたことで、松井は今後どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。プロ野球はまだまだ開幕の見通しが立たないものの、松井夫妻の出産報告を受け、改めて松井のピッチングが改めて楽しみになってきた。

取材・文●新井裕貴(SLUGGER編集部)

【久米島キャンプPHOTO】楽天イーグルス|自然豊かな久米島での3日目午前は非公開!厳戒態勢で準備を進める!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号