巨人は地の利が大きいですね。開幕からしばらくは、関東近辺でしか試合がないですから。コロナ陽性だった坂本勇人と大城卓三も開幕に間に合いますし、打線はやはり強力。マイナス材料は投手陣の層の薄さです。今年は菅野智之に期待が持てますが、その後が続かない。原辰徳監督のマネジメント力が問われます。

　中日は意外にバランスが良いチームになってきていますね。ビシエドやアルモンテはまずまず打ちますし、ピッチャーも安定しています。飛びぬけた力はないですが、計算できる選手が揃っている。だから、采配はしやすく、自滅することもないので、浮き沈みが少ないかなと。

　広島も悪くはないんですが、ピッチャーがもうひとつ。３連覇に貢献した薮田和樹や岡田明丈といったメンバーが、万全の状態とは言えません。それに、首脳陣が計算していたルーキーの森下暢仁が、ここ何試合か不安定な部分が出てきています。ただ、打線は良いですよね。メヒアに当たり始めているし、西川龍馬も怖さがある。鈴木誠也は言わずもがなです。
  　ヤクルトは、セ・リーグのなかで一番ピッチャーの層が薄いのが、成績にも直結すると思います。奥川恭伸はこの開幕延期で調整が進んでいるようですが、高卒ルーキーに過度な期待を背負させるのは酷でしょう。彼が出てくるのは野球界にとって喜ばしいですが、逆に言えば、ルーキーを使わなければならないような状況は、台所事情が厳しいとも読めます。

　いずれにせよ、今シーズンの過密日程は、すべてのチームに大きな負担を強いることになります。パ・リーグはまだドームが多いからいいですが、セ・リーグは外の球場が４つある。それで120試合を消化するので、多少グラウンドのコンディションが悪くても押し切るとか、日程が合わなくなってダブルヘッダーが増えることが考えられます。そうなってきたらなおさらタフになってくる。

　息抜きもあまりできませんからね。選手の立場からすれば、気晴らしはやっぱりほしいものです。でも、今シーズンは外出もできない。精神的にも厳しいシーズンですよ。