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プロ野球

ウィーラーだけじゃない!他球団の中心打者を獲得してきた巨人・トレードの系譜

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.06.26

 また、やや峠を過ぎた選手を代打や控えとして獲得することも多かった。阪急時代にトリプルスリーを達成した蓑田がまさにそうで、元打点王の石井のように、故障でレギュラーを追われた選手もこれに近い。

 93年のフリー・エージェント制導入以降は大物獲得はもっぱらFAが中心になっていくが、そんな中で異色だったのが小久保の獲得だ。小久保とダイエーのフロントの間に確執があったからとも言われるが、パ・リーグ屈指のスラッガーで“ミスター・ホークス”と呼ばれていた超大物を無償で獲得したのは文字通り衝撃的な“事件”だった。小久保は3年間で94本塁打を放つなど大活躍し、06年には外様の選手としては初めて主将にも任命されるなど、巨人は一方的に得をした形となった。 
 
 その後もオリックスで安打製造機として活躍していた谷や、高出塁率と勝負強さを武器に、ロッテで“つなぎの4番”として活躍したサブローを獲得したが、それ以降はトレードでの主力野手獲得はしばらく途絶えていた。その意味で、楽天では5年間で通算106本塁打を放ったウィーラーの獲得は、久々の“衝撃のトレード”だったのである。今季は開幕二軍だったが、まだシーズン序盤。新天地では成績面でもインパクトを残せるように頑張ってほしい。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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