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プロ野球

【氏原英明の本音で勝負!】世界に恥ずべき“田澤ルール”はすぐにでも撤廃すべき

氏原英明

2020.07.13

 日本の野球界には世界基準から外れたルールがいくつも存在する。学生の指導に資格なしで関わることを禁じたプロ・アマ規定然り、「ドラフト指名を拒否して海外のプロ球団と契約した選手は、海外球団を退団した後も一定期間(大卒・社会人は2年、高卒選手は3年)はNPB所属球団と契約できない」とする復帰制限措置、いわゆる“田澤ルール”も然りだ。

 そもそも、田澤のメジャー挑戦には大きな誤解がある。彼は必ずしもアメリカへの憧れで海を渡ったわけではない。

 田澤はこんな言葉を口にしている。

「僕は3年契約でアメリカに行ったんですけど、最初からメジャーの舞台に立てると思ったわけじゃないんです。社会人から日本のプロに行く場合は『即戦力』という見られ方をする。でも、当時の僕にはその自信がなかった。自分がどうやったら成長できるかという観点で考えた時に、じっくり育ててくれるのがアメリカの方でした。誤解されているので理解してもらいたいのですが、僕はNPBが下でメジャーが上と見ているわけではなくて、その時の自分が成長できる方を取っただけなんです」
 
 ルーキーに「即戦力」として過大な期待をかける日本の球団の姿勢には弊害が多い。

 藤浪晋太郎(阪神)が分かりやすいが、1~3年目の成績がキャリアハイになっているケースは少なくない。「即戦力」を求めるがあまり、育成の方法を間違えて成長が止まってしまう選手がいるのだ。楽天の釜田佳直は高卒1年目に7勝を挙げたが、その後は相次ぐ怪我に悩まされた。1年目に11勝を挙げて新人王に輝いた東克樹(DeNA)は、2年目の昨季は故障で長期離脱、今年に入ってトミー・ジョン手術を受けた。育成の方法を間違えた選手起用を繰り返した結果だ。
 

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