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プロ野球

【今週のセ・リーグ展望】首位ヤクルトは好調の阪神と甲子園で激突。巨人はエース菅野で苦手マツダスタジアム攻略なるか

氏原英明

2020.07.14

●中日-DeNA(ナゴヤドーム)
【予告・予想先発】
14日(火)山本拓実-大貫晋一
15日(水)松葉貴大-浜口遥大
16日(木)岡野祐太郎-井納翔一

 注目は両軍監督の采配だ。

 前節、野手陣を使い切って代打に投手を送るなどの失態を演じた中日・与田剛監督は采配への信頼が揺らぎ始めている。一方のDeNAラミレス監督は思い切りが良すぎて、選手がついてこられないケースがある。

 中日は若い山本をカード初戦の先発に持ってきた。前回登板は4回途中登板だったとはいえ、中5日での投入はややリスクが大きい。一方の大貫も、前回登板は1イニングのみも、こちらは中3日だ。

 打線はどちらもつながりをやや欠いている。中日は高橋周平、DeNAはオースティンと好調だった中心打者が故障で離脱。この穴をどう埋めていくか。中日はルーキーの石川昂弥の起用法も気になるところで、両チームとも思い切った打順変更が見られるかもしれない。
 
●DeNA-巨人(横浜スタジアム)
【予想先発】
17日(金)ピープルズ-戸郷翔征
18日(土)今永昇太-サンチェス
19日(日)平良拳太郎-桜井俊貴

 DeNAは本拠地に観客を入れて初めてのゲームになる。5000人限定といっても、首都圏チーム同士の対決にファンが燃えないはずはない。本来なら今永対菅野のエース同士の投げ合いが見られるはずだったが、両チームとも雨天中止によって先発ローテーションが再編された。戸郷、桜井は前回のDeNA戦でいずれも好投しているが、DeNAにすれば2回続けてやられるわけにはいかないだろう。

●阪神-中日(甲子園)
【先発予想】
17日(金)青柳晃洋-大野雄大
18日(土)西勇輝-勝野昌慶
19日(日)岩貞祐太-梅津晃大

 大野雄が昨年ノーヒッターを達成した相手が阪神。シーズン全体でも6先発、40.0投球回で防御率1.35と圧巻の数字を残している。開幕当初は不振だったが、前回、前々回と続けて好投しており、今度こそ今季初勝利をつかみたい。一方、青柳も中日とは相性が良く、6月30日の試合でも負けはしたものの6回1失点。17日の試合は投手戦になりそうだ。

●広島-ヤクルト(マツダスタジアム)
【予想先発】
17日(金)大瀬良大地-山田大樹
18日(土)床田寛樹-小川泰弘
19日(日)遠藤淳志-高梨裕稔

 広島は昨季、対ヤクルト戦に13勝12敗と勝ち越したものの、ホームではなぜか4勝9敗と大きく負け越し。初戦は好調の大瀬良が先発予定だが、その大瀬良も昨季は青木宣親に打率.357、村上宗隆に.385、2本塁打、雄平に.400とよく打たれた。エースの踏ん張りでしっかり初戦を取って、嫌なジンクスを断ち切りたい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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