専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

プロ野球「もう一つの開幕戦」はしご観戦から見えた「新しい日常」への可能性

勝田聡

2020.07.15

 スタメン発表も終わり、あと数十分で試合開始というところで大粒の雨。三塁ベース付近には大きな水たまりができた。雨が止むのを待つが、強くなるばかり。18時30分頃に試合中止のアナウンスが流れる。

 文字通り水をさされる形となったが、(両軍の若手によるベースランニングのパフォーマンスの影響もあってか)恨み節をこぼすファンの声は聞こえなかった。球場で野球が見られる喜びが、悪天候による試合中止となった悲しみを上回っていたのだろう。もちろん筆者も前者である。

●拍手だけではなく野次も響く
 本来であれば、試合中止の時点で“開幕戦”は終わりなのだが、こういった事態を見越して筆者は別のチケットも確保していた。ここから1時間ほどで移動できる京セラドームで行われるオリックス対日本ハム戦である。
 
 ほっともっとフィールド神戸から足早に移動したものの、到着したのは6回裏終了間際だった。こちらは、ほっともっとフィールド神戸とは異なりアルコールの販売がある。しかし、売り子さんはスタンド内を歩き回るのではなくコンコースに立っていて、ファンが買いに行くスタイルだ。

 少し話を聞いてみると、17時半から6回裏終了まで販売しているという。筆者はギリギリだったわけだが、笑顔で1杯のビールを慣れた手付きで注いでくれた。今までは売り子さんがファンを探すスタイルだったが、ファンが売り子さんを探す形に変化した。これも新しい観戦スタイルとして定着していくのだろうか。

 試合中は拍手、手拍子のオンパレード。1球ごとにどちらかのファンが拍手をする。勢い余って大声で応援歌を歌い出すような人はいない。もちろん、これまでも拍手をしているファンはいたが、応援にかき消されることも多かった。鳴り物のない球場のそれとは比較にならないほど大きい。クラシックコンサートの演奏終了後が、1球ごとに訪れる感じだろうか。

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号