響き渡るのは拍手だけではない。野次もいつも以上に存在感を増す。すでに報道されているが、選手への野次が原因で球審が間を取る場面もあった。筆者は三塁側のかなり外野寄りにいたが、これまでなら声援や喧騒で掻き消されていたはずの内野席からの野次がはっきりと聞こえた。
●新しい観戦スタイルへの適応を
試合はオリックスがサヨナラ勝ちしたが、今までのようなお祭り騒ぎにはならない。周りを見渡しても、自分の席で立ち上がってガッツポーズをする程度。どことなく上品なスタイルだ。喜びを爆発させるというよりは、外には出していないものの内では燃え上がっていると表現するのが適当かもしれない。
2つの“開幕戦”をはしごして感じたのは、「今までの日常が日常ではなくなっている」ということだ。
入場時に検温し、飲食店の周りでワチャワチャとすることもない。ビールを飲むことも、大きな声を出して応援歌を歌うことも、仲間と喜びや悲しみを爆発させることもなく、感情を内に秘めておく必要がある。どこか仰々しいと感じることもあるだろう。
それでも今は有事の時。球場で野球を見ることができる喜びを噛み締めながら、拍手で静かに選手たちを応援する新しい観戦スタイルを受け入れていく必要がある。
今シーズン中は入場人数の上限を含め規制が続く。来年以降、新型コロナウイルスが終息した時、新旧どちらの観戦スタイルが日常になっているのだろうか。
取材・文●勝田聡
著者プロフィール
かつた・さとし/1979年生まれ、東京都出身。人材派遣業界、食品業界で従事し30代後半で独立。プロ野球、独立リーグ、MLBなど年間100試合ほど現地観戦を行っている。2016年から神宮球場でのヤクルト戦を全試合観戦中。
●新しい観戦スタイルへの適応を
試合はオリックスがサヨナラ勝ちしたが、今までのようなお祭り騒ぎにはならない。周りを見渡しても、自分の席で立ち上がってガッツポーズをする程度。どことなく上品なスタイルだ。喜びを爆発させるというよりは、外には出していないものの内では燃え上がっていると表現するのが適当かもしれない。
2つの“開幕戦”をはしごして感じたのは、「今までの日常が日常ではなくなっている」ということだ。
入場時に検温し、飲食店の周りでワチャワチャとすることもない。ビールを飲むことも、大きな声を出して応援歌を歌うことも、仲間と喜びや悲しみを爆発させることもなく、感情を内に秘めておく必要がある。どこか仰々しいと感じることもあるだろう。
それでも今は有事の時。球場で野球を見ることができる喜びを噛み締めながら、拍手で静かに選手たちを応援する新しい観戦スタイルを受け入れていく必要がある。
今シーズン中は入場人数の上限を含め規制が続く。来年以降、新型コロナウイルスが終息した時、新旧どちらの観戦スタイルが日常になっているのだろうか。
取材・文●勝田聡
著者プロフィール
かつた・さとし/1979年生まれ、東京都出身。人材派遣業界、食品業界で従事し30代後半で独立。プロ野球、独立リーグ、MLBなど年間100試合ほど現地観戦を行っている。2016年から神宮球場でのヤクルト戦を全試合観戦中。