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MLB

【MLB注目のスターたち】アーロン・ジャッジ&ピート・アロンゾ――最高のパワーと人格を備えた「気は優しくて力持ち」の2人

杉浦大介

2020.07.20

 ジャッジはチーム一の人気選手だけに当然、取材の需要も多いが、可能な限り丁寧に対応している印象がある。何より感心させられるのは、そんな態度が好調時も不振時もまったく変わらないことだ。ジャッジも常に順風満帆だったわけではなく、デビューした16年は27試合で42三振と大ブレーキ。ブレイクした17年も、オールスター後にどん底に沈んだ時期があった。

 これほど打てなければ、ふさぎ込んでしまっても仕方のないところだが、ジャッジは落ち着きを保ち、いつも通りの態度でチームメイトやメディアに接していた。私のような海外記者への愛想も良く、向こうから声をかけてくれることもあった。その上で結局は不振脱出の術も見つけ出すのだから、好印象を抱かずにはいられない。

 ジャッジが誕生後すぐに養子に出され、現在の両親に育てられたエピソードは広く知られている。ジャッジの成熟した性格には、ともに教師である両親からの丁寧な教えが反映されているのは間違いない。

 一方、デビュー当初から貫禄が感じられたジャッジに対し、アロンゾはどちらかといえば、いじられキャラ。ベテランのトッド・フレイジャーに〝ポーラー・ベア(ホッキョクグマ)〞という愛称をつけられ、シーズンを通じてロッカールームには巨大なクマのぬいぐるみが置かれていた。
 
 赤い頬の若者は素直でとっつきやすく、それでいて聡明なため記者からも大人気。本塁打記録がかかった時期こそクラブハウスの奥に隠れる時間も増えたが、それまでは延々と押し寄せる記者たちの質問に我慢強く答えていた。

 新型コロナショックでMLBの開幕が延期になった期間においても、アロンゾはフィールド外で活躍を続けた。がんで余命数週間と告知された82歳のメッツファンの女性を電話で激励したかと思えば、地元高校のオンライン授業にZoomで飛び入り参加。さらに婚約者と基金を設立し、消防士や警官、医師、教師などウイルスによって影響を受けた人々の支援にも乗り出した。

 ブレイクの翌年とあって、開幕延期を本人が誰よりも悔しがっていたことは想像に難くない。そんな中でも地域に貢献していこうとしていた姿は非常に好感が持てる。実は、アロンゾは昨年も、ホームラン・ダービーの賞金の一部を傷痍軍人救済のプログラムに寄付し、チームメイトを感服させていた。この姿勢を失わない限り、メディア、ファンも厄介になりがちなニューヨークでもアロンゾは人気選手であり続けるだろう。

文●杉浦大介

【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。

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