▼4位 片山楽生(白樺学園)
177㎝75㎏ 右投左打
全国的に見てもプロ野球選手を多く輩出する地域ではない北北海道だが、そこからあえて4位に片山を選んだ。理由は最終学年での急激な成長にある。昨年秋の明治神宮大会でもフォームの良さは光ったものの、ストレートは130キロ台後半程度で高校から直接プロを狙うような選手には見えなかった。ところがそこから体作りが進んだことで、一気に最速148キロをマークするまでにスピードアップしてきたのだ。元々ピッチングのセンスがある投手だけに、そこにスピードが加わってくれば鬼に金棒である。北北海道大会のクラーク国際戦では立ち上がりから制球に苦しみ序盤でまさかの降板となったものの、甲子園では改めて成長した姿を見せてプロ入りへ向けてアピールしたいところだ。
タイプ診断:#センスの高さ #急成長
▼3位 中森俊介(明石商)
181㎝79㎏ 右投左打
1年夏から3季連続で甲子園出場を果たし、昨年はエースとして春夏連続準決勝進出にも大きく貢献。実績では間違いなく今年の高校生投手の中でもナンバーワンと言えるだろう。昨年秋はストレートが思うように走らず、近畿大会の準々決勝で大阪桐蔭に逆転負けを喫したが、それでも高い投球術は高校生離れしたものがあった。自粛期間が明けた直後は不調が伝えられていたが、7月以降は着実に調子を上げてきている。プロのスカウト陣も最も見る機会が多かった投手だけに、集大成としてどのような投球を見せてくれるかに注目したい。
タイプ診断:#完成度 #投球術
▼2位 小林樹斗(智弁和歌山)
182㎝86㎏ 右投右打
フォームのバランスの良さと、柔らかさと強さを兼ね備えた腕の振りが光る正統的な本格派右腕。昨年までは素材の良さはありながらも、投げてみないと分からない不安定さがあり、秋は明らかに調子を落としていたが、この夏は完全に一皮むけた印象だ。左足を上げた時の姿勢が良くなり、体重移動がスムーズになったことで、上半身の力に頼らなくても速いボールを投げられるようになった。肩回りの可動域の広さ、肘の使い方の柔らかさにも目を見張るものがある。和歌山の独自大会では短いイニングでの登板が多かっただけに、甲子園では先発でどのような投球を見せてくれるかに注目したい。
タイプ診断:#しなやかさ #ストレートの勢い
▼1位 高橋宏斗(中京大中京)
182㎝79㎏ 右投右打
昨年秋の明治神宮大会優勝投手で、当時から145キロを超えるスピードを誇っていたが、もうひとつ凄みに欠けるというのがこれまでの印象だったが、この夏の投球を見て認識を改めた。愛知の独自大会で初登板となった対栄徳戦では4回途中からリリーフすると、150キロ台を連発。5.2回で150キロ以上を合計18球記録し、ストレートの平均球速は148キロを上回っていた。ただ速いだけでなく、ほぼすべてのボールを意図通りにコントロールできているのも"凄い"の一言。本人は進学希望と言われているが、現時点では間違いなく高校ナンバーワン投手であり、プロ志望に転じれば1位競合する可能性は極めて高い。高校生活では最初で最後の甲子園の舞台でどのような投球を見せるのか、そして大会後にはどのような決断を下すのか。注目したい。
タイプ診断:#目玉候補 #本格派
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。
【PHOTOギャラリー】球界を牽引する名手たちの「高校」「大学」当時を秘蔵写真で振り返る
177㎝75㎏ 右投左打
全国的に見てもプロ野球選手を多く輩出する地域ではない北北海道だが、そこからあえて4位に片山を選んだ。理由は最終学年での急激な成長にある。昨年秋の明治神宮大会でもフォームの良さは光ったものの、ストレートは130キロ台後半程度で高校から直接プロを狙うような選手には見えなかった。ところがそこから体作りが進んだことで、一気に最速148キロをマークするまでにスピードアップしてきたのだ。元々ピッチングのセンスがある投手だけに、そこにスピードが加わってくれば鬼に金棒である。北北海道大会のクラーク国際戦では立ち上がりから制球に苦しみ序盤でまさかの降板となったものの、甲子園では改めて成長した姿を見せてプロ入りへ向けてアピールしたいところだ。
タイプ診断:#センスの高さ #急成長
▼3位 中森俊介(明石商)
181㎝79㎏ 右投左打
1年夏から3季連続で甲子園出場を果たし、昨年はエースとして春夏連続準決勝進出にも大きく貢献。実績では間違いなく今年の高校生投手の中でもナンバーワンと言えるだろう。昨年秋はストレートが思うように走らず、近畿大会の準々決勝で大阪桐蔭に逆転負けを喫したが、それでも高い投球術は高校生離れしたものがあった。自粛期間が明けた直後は不調が伝えられていたが、7月以降は着実に調子を上げてきている。プロのスカウト陣も最も見る機会が多かった投手だけに、集大成としてどのような投球を見せてくれるかに注目したい。
タイプ診断:#完成度 #投球術
▼2位 小林樹斗(智弁和歌山)
182㎝86㎏ 右投右打
フォームのバランスの良さと、柔らかさと強さを兼ね備えた腕の振りが光る正統的な本格派右腕。昨年までは素材の良さはありながらも、投げてみないと分からない不安定さがあり、秋は明らかに調子を落としていたが、この夏は完全に一皮むけた印象だ。左足を上げた時の姿勢が良くなり、体重移動がスムーズになったことで、上半身の力に頼らなくても速いボールを投げられるようになった。肩回りの可動域の広さ、肘の使い方の柔らかさにも目を見張るものがある。和歌山の独自大会では短いイニングでの登板が多かっただけに、甲子園では先発でどのような投球を見せてくれるかに注目したい。
タイプ診断:#しなやかさ #ストレートの勢い
▼1位 高橋宏斗(中京大中京)
182㎝79㎏ 右投右打
昨年秋の明治神宮大会優勝投手で、当時から145キロを超えるスピードを誇っていたが、もうひとつ凄みに欠けるというのがこれまでの印象だったが、この夏の投球を見て認識を改めた。愛知の独自大会で初登板となった対栄徳戦では4回途中からリリーフすると、150キロ台を連発。5.2回で150キロ以上を合計18球記録し、ストレートの平均球速は148キロを上回っていた。ただ速いだけでなく、ほぼすべてのボールを意図通りにコントロールできているのも"凄い"の一言。本人は進学希望と言われているが、現時点では間違いなく高校ナンバーワン投手であり、プロ志望に転じれば1位競合する可能性は極めて高い。高校生活では最初で最後の甲子園の舞台でどのような投球を見せるのか、そして大会後にはどのような決断を下すのか。注目したい。
タイプ診断:#目玉候補 #本格派
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。
【PHOTOギャラリー】球界を牽引する名手たちの「高校」「大学」当時を秘蔵写真で振り返る