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プロ野球

【12球団U-23充実度ランキング│6位:ソフトバンク】圧倒的な選手層を背景に優れた才能を次々に輩出

城ノ井道人

2020.09.07

 投手では杉山が一押しだ。堂々の体躯から150キロ超の速球でグイグイ押す剛腕タイプで、今季は二軍戦で奪三振率12.83と驚異的な数字を記録。ハマった時の圧巻の投球には「千賀滉大二世」との呼び声も集まっている。外国人登録のため評価外だが、カーター・スチュワートJr.もMLBのドラフトで1巡目指名されたほどの「超」がつく逸材。U-23の選手数自体がとにかく多く、圧倒的な層の厚さが若手有望株充実の源泉にある。周東にしてもリチャードにしても、一芸に秀でた選手をうまく育成している点も見逃せない。
 
 興味深いのは、これだけ育成に力を入れているのにもかかわらず、ドラフト1位指名選手がやや苦戦していることだ。昨年は15年1位の高橋純平と19年1位の甲斐野がリリーフで活躍したが、いずれも今季は故障で戦力になっていない。5球団が競合した16年1位田中正義も伸び悩みが続く。不思議なことに、昨年のドラフト組も、二軍ではドラフト1位の佐藤、2位の海野よりも5位指名の柳町が好成績を残している。

 高橋や甲斐野も含め、登板過多が故障の一因になっていることも見過ごせない。次から次へと優れた才能が出てくるので大きな問題に放っていないが、今後は“球界の王者”にふさわしく、故障のケアへの意識も高めてほしいところだ。

文●城ノ井道人

【著者プロフィール】
しろのい・みちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年、開催して次代のスター発掘に余念がない。

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