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プロ野球

山田哲人、大野雄大、小川泰弘…今オフ注目のFA選手の現状は?

出野哲也

2020.09.20

▼島内宏明(楽天)
 ビッグネームとは言い難いけれども隠れた好選手。18~19年は2年続けて.370以上の高出塁率をマークしており、今季も.355とまずまず。補償の必要なBランクではあっても、着実に戦力アップが見込める選手なので、少なからず引きはあるだろう。もっとも何が何でも欲しい、と思わせるほど強力なアピールポイントを持ってはいないのも事実。外野の層が厚くない楽天は強く引き留めにかかるはずなので、FA宣言しても残留が濃厚だと思われる。
移籍先候補:残留濃厚

▼西川遥輝(日本ハム)
 リーグ5位の打率.307、同4位の出塁率.427と球界有数のリードオフマンの地位は不動。メジャー移籍希望を公言していて、今オフのポスティング利用もあり得るが、新型コロナが鎮静化していない状況でのMLB移籍は得策ではない。国内FAは行使せず海外FAを待ってアメリカへ、というシナリオが時期的にもベストか。万一国内移籍に切り替えるなら、足に負担のかかる人工芝ではない球場が本拠のチーム、例えば阪神などが選択肢に上る。
移籍先候補:残留濃厚
 
▼梶谷隆幸(DeNA)
 ここ2年間故障続きで各41試合しか出られなかったが、今季は体調万全で久々に充実したシーズンを送っている。打率.315はリーグ4位、出塁率.387も6位と、最高の状態でFA市場に出ることになる。ただし32歳とやや年齢が高く、また過去の故障歴も気になる。おまけにBランクで補償の必要もあるため、現在の数字から想像するほどの人気銘柄にはならない恐れも。それでも、攻撃力不足が深刻なオリックスあたりは、是非とも欲しい人材には違いない。
移籍先候補:オリックス

▼その他
 松永昂大(ロッテ)はどのチームにも必要な左の中継ぎ。成績的には突出して良くはなくとも、極端に悪い年もなく、昨年まで7年続けて40試合以上登板したタフさも売り物だった。ところが今季は5試合投げただけ。しかもBランクなので、閉幕までにしっかり投げられることを証明しないと、他球団も手は出しにくい。数年前までリーグ有数の遊撃手だった田中広輔(広島)はここ2年間極度の不振に陥っているので、行使する確率は低い。

 一方、辛島航と塩見貴洋の楽天左腕コンビはどちらもランクCで人的補償が必要ない。どちらも劇的に戦力を向上させるようなタイプではないが、着実に仕事をこなす堅実な投手として意外な人気を集めるかもしれない。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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