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MLB

【ワイルドカード・シリーズ展望:ナ・リーグ】“打”のブレーブスと“投”のレッズはどちらに軍配?パドレスvsカーディナルスの新旧スター対決にも注目!

宇根夏樹

2020.09.30

カーディナルスのベテランエース、ウェインライト(左)と、パドレスの若き主砲タティースJr.(右)の対決は必見だ。(C)Getty IMages

カーディナルスのベテランエース、ウェインライト(左)と、パドレスの若き主砲タティースJr.(右)の対決は必見だ。(C)Getty IMages

▼カブス(中地区1位)vsマーリンズ(東地区2位)
 カブスはいずれも防御率リーグトップ10にランクインしたダルビッシュ有とカイル・へンドリクスのダブルエースを擁する。しかし一方のマーリンズも、驚異の新人シクスト・サンチェスをはじめ先発投手陣はまずまず。特に次代のサイ・ヤング賞候補にも挙げられるサンチェスは、ハマった時の爆発力はダルビッシュにも引けを取らない。打線はどちらもイマイチなので、投手陣の出来がシリーズを左右しそうだ。

 カブスは初戦がへンドリクス、2戦目にダルビッシュを投げさせるようだが、この順序がどう出るか。ヘンドリクスは打たせて取るタイプのピッチャーなので、バックの守備に左右されやすいのが難点。ダルビッシュもポストシーズンでは通算防御率5.81で、カブスが初戦を落とすと若手の多いマーリンズを勢いづかせることになりかねない。
 
▼パドレス(西地区2位)vsカーディナルス(中地区2位)
 このカードは、新旧勢力の激突といった感もある。パドレスの象徴は21歳のフェルナンド・タティースJr.だ。本塁打17本はリーグ2位、11盗塁は4位で、ファインプレーを幾度も見せるなど走攻守に躍動。28歳のマニー・マチャドとともに打線の中軸を形成し、MVPの呼び声も高い。一方、カーディナルスでは39歳のアダム・ウェインライトがリーグ8位タイの5勝、リーグ10位の防御率3.15と復活を遂げた。ほぼ全登板でバッテリーを組んだヤディアー・モリーナも38歳で、中軸のポール・ゴールドシュミットも33歳と老成したチームである。

 チーム防御率3.92はリーグ4位な反面、OPS.694はワースト2位と投高打低のカーディナルスと違い、パドレスは両方とも5位以内と投打とも充実しているが、先発投手の故障が気がかりだ。9月下旬にディネルソン・ラメットが右上腕、マイク・クレビンジャーが右ヒジを痛めた。現時点ではラメットが初戦、クレビンジャーが3戦目に投げる見込みだが、2人揃って本来の投球ができない場合は苦しくなる。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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