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プロ野球

【プロ野球秘話】“KKドラフト“直前の怪情報。巨人は桑田、清原のダブル獲得を狙っていた?

北野正樹

2020.12.31

 そのスポーツ紙の記者コラムは、「PLの投打両輪をあわせて獲得してしまうのはムシがよすぎるに決まっている。現時点の状勢でははなはだ困難だが、巨人だけがわずかに可能性が残されている。プロ側にとっては難攻不落の桑田がひそかに巨人のユニホームにあこがれを抱いていることはPL関係者が知っている」と書き出し、桑田、清原のダブル獲得の可能性を示唆した。見出しも〔KKあわせ獲得 巨人わずかに可能性〕〔桑田もあこがれ〕とダブル獲得戦術を予感させるものだった。

 このコラムの筆者がどこまでの情報をつかんでいたのかは定かでない。しかし、会場の倉吉市営球場では「桑田はワセダに進学しないらしい」という情報が駆け巡った。情報を聞き込んだ一部の記者が在京球団のスカウト部長に確認したところ「誰から聞いた。絶対に公言するな」とくぎを刺されたというから、スカウト陣も情報を入手していたことは間違いないだろう。
 
 メールやラインがない時代。桑田本人に真偽を確かめるすべはなく、怪情報はあくまで怪情報でしかなかった。ただ、桑田はプロ入りを拒否していたわけではないので、憧れていた巨人に指名されプロ入りに傾いたとしても、その決断を責めることは出来ない。

 1年目の成績は対照的だった。新人最多本塁打記録に並ぶ31本塁打を放ち、西武の日本一に貢献した清原に対し、巨人の桑田は2勝1敗、防御率5.14。清原が広島との日本シリーズ第6戦で、シリーズ1号を放った同じ日、桑田は米アリゾナの教育リーグのカブス戦に登板し、1失点11奪三振で完投勝利を挙げ、飛躍への土台を作っていた。通算成績は清原が7814打数2122安打1530打点、525本塁打。桑田は173勝141敗14セーブ、防御率3.55。ともに記録にも記憶にも残る選手であった。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】
きたの・まさき/1955年12月、大阪府出身。1979年から2020年11月まで一般紙でプロ野球の南海、阪急、巨人、オリックス、阪神や高校野球、バレーボールなどを担当。1988年の南海、阪急の球団譲渡や桑田・清原のKKドラフトなどを取材。南海が身売りを決断する「譲渡3条件」を特報した。2020年はバレーボールのティリ・フランス代表監督のパナソニック監督就任や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道。1995年の「阪神・淡路大震災」で担当した自衛隊取材はライフワーク。
 

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