●太田、宜保、紅林ら期待の若手が競う内野争い

　野手陣で注目したいのは、一塁手を除いた内野手争いだ。正遊撃手の安達了一は体調への考慮もありＢグループスタートになったため、まずは福田周平、大城滉二、紅林弘太郎、太田椋、宜保翔、中川圭太の６選手がＡグループで争うことになる。

　特に注目したいのが19歳の太田と紅林、そして20歳の宜保だ。太田と紅林は一発長打を秘める大型内野手、宜保は俊足強肩が魅力で、３人とも将来のチームを担う存在として期待を集める。中嶋監督の評価が高い中川圭も今年は結果を出したい。センターラインの強化はチームにとって長年の課題なだけに、若手の底上げがより一層重要になる。
  　昨年８月まで二軍で指揮を執っていた中嶋監督は「若い選手もいますが、すべての選手の能力を組み合わせて戦っていけたら」という思いで昨年は、若手を中心に使いながらもベテランと中堅も効率的に起用することで、ハイブリッド型チームのベースを築いた。「勝ち」にこだわることが求められる今季は、キャンプから若い選手たちを一軍で鍛えて「最強時代」に導いていく。

文●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ／1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第９回 特集オリックス・バファローズ』（カンゼン）ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。