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MLB

侍メジャーリーガー8人の「2021年のノルマ」――大谷は二刀流完走、ダルビッシュは昨季の再現、筒香は20本塁打以上…〈SLUGGER〉

藤原彬

2021.03.31

■前田健太(ツインズ)
2021年のノルマ:180イニング以上&プレーオフでの勝利

 ツインズに移籍した昨季は防御率リーグ5位、K/BB2位、サイ・ヤング賞投票でも2位。今季は初の開幕投手を任されるなど、19年オフにトレードを志願してまで欲した先発としての信頼を勝ち得ている。オープン戦5先発では、計2四球で1失点と順調な仕上がり。昨季の快投を導いたスライダーとチェンジアップ主体の投球は、手応えを語るツーシームとパワーカーブの出来次第でさらに幅が広がりそうだ。

 ただ、各種成績予測システムがはじき出す数字は割れている。PECOTAは156.2回で防御率3.32とまずまずの成績ながら、4点台を予想するものもある。注目したいのはイニング数だ。これまではメジャー1年目の175.2回が最多だが、地区優勝を狙うチームのエースとなれば最低でも180はノルマ。また、チームは現在プレーオフで18連敗中。シーズンでしっかり好投した上で、10月の舞台でチームに白星をもたらすことができれば、エースとしての信頼感はさらに増すことになるはずだ。
 
■菊池雄星(マリナーズ)
2021年のノルマ:規定投球回到達&防御率3点台

 2年連続で防御率5点台に終わっているが、昨季は4シームの球速アップや変化球の改良により、空振り/スウィング率が前年から10%近くも上昇した。投手に責任のある奪三振・与四球・被本塁打から算出するFIPは3.30を記録するなど、投球内容は防御率が表すよりも遥かに優秀と示している。このクオリティを維持したまま今季も先発の役割を全うできれば、表向きの数字も伴いそうで、サイ・ヤング賞獲得の大穴に推す声も。今オフは、球団が22年からの4年契約延長の決定権を持つ。拒否されても菊池に残留を選ぶ権利はあるが、少しでもいい成績を残しておきたい。

■筒香嘉智(レイズ)
2021年のノルマ:20本塁打と出塁率.350以上

 メジャー1年目は持ち前の選球眼とパワーはある程度発揮できたが、打率は1割台。プレーオフでは控えに回り、チームの快進撃から蚊帳の外といった感もあった。迎えた今季は、年俸700万ドルがチーム2位。貧乏球団ならではの特殊事情とはいえ、しっかり結果を残すことが求められる。各種成績予測は概ね100試合未満の出場で打率2割5分未満、15本塁打前後と出ているが、侍ジャパンの主砲にはより高い水準を期待したい。最低でも20本塁打、出塁率.350以上を残してパワーと出塁能力を証明し、チーム内で確固たるポジションを確立してもらいたい。
 
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