■秋山翔吾（レッズ）
2021年のノルマ：１番定着でチームに不可欠な存在に

　昨季はメジャーの投手に戸惑いながらも徐々に適応し、１番打者としては及第点の出塁率.357を残した。外野陣はライバルが多く、今季もレギュラーの座は確約されていない一方で、リードオフ向きの打者が他にいないのも事実。秋山がテーブルセッターに定着することで、長打は多くても得点増に結び付かない打線が機能するようになるはずだ。「チームの勝敗を背負う存在になりたい」と本人が語るように、単なる数字よりも自身の存在感をどう確立するかが重要になってくるだろう。２年目に持ち越されたメジャー初本塁打も、もちろんノルマの一つに挙げられる。

■有原航平（レンジャーズ）
2021年のノルマ：規定投球回クリア＆防御率４点台前半

　登板ごとで波は大きくても、トータルでは安定した成績を残す。この春のオープン戦も、昨年までと変わらない姿だった。アメリカのマウンドは大学時代や日本ハムでの春季キャンプでも経験済で、数年前から２シームを導入するなど、以前からメジャーでの投球を意識していた節もあった。チームはちょうど再建期を迎えていて、ぶっちぎりの地区最下位予想が大半。これは有原にとってはむしろプラスに働く可能性も大きい。ローテーションを守って規定投球回をクリアし、防御率４点台前半に収めれば球団は大満足だろう。
  ■澤村拓一（レッドソックス）
2021年のノルマ：勝ちパターン継投へ定着

　オープン戦では武器の高速スプリッターが注目を浴びる一方、３連続四球で押し出しを与える試合もあり、日本時代と同じ「劇場型」の投球だった。ただ、シーズン開幕を前に長所も短所もさらけ出したのはむしろいいことかもしれない。昨季の救援防御率リーグワースト２位、さらにクローザー候補に新型コロナウイルス陽性反応が出て、チームのブルペンは苦しい状況にある。昨夏のロッテ移籍後のような投球を披露できれば、選手に手厳しいボストンのファンの心もつかめるはずだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら／1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から３年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターＩＤは@Struggler_AKIRA。

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