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プロ野球

今のDeNAとは比べ物にならない?“暗黒時代”のベイスターズが残した数々の“伝説”

SLUGGER編集部

2021.05.01

 負けが重なって選手たちもモチベ-ションが低かったのか、多村の証言によれば「横浜時代は練習しちゃいけないという風潮があった」という。内川などはFAでソフトバンクに移籍後、7年ぶりにホークスへ復帰する寺原隼人へ「ホークス生え抜きのオレが、外様のお前をビシビシ鍛えてやるから覚えとけよ」と言ったこともあった。本人の記憶の中で、横浜在籍時代を無意識に“黒歴史”扱いしていたのだろうか。

 暗黒期はフロントの失政も目立った。特に助っ人外国人の獲得では失敗の連続。03年には前年にメジャーで16本塁打を放ったスティーブ・コックスを年俸3億円超の3年契約で獲得(3年目は球団オプション)したが、春季キャンプでヒザを故障して15試合しか出られず。球団はこの年限りでコックスを解雇したが、代理人に2年目以降の年俸支払いを要求され、総額7億円以上を事実上、ドブに捨てる格好になった。
 
 さらに08年にはラリー・ビグビーと契約が決まった直後、MLBのドーピング使用者を告発する『ミッチェル・リポート』に、ビグビーが登場していたことが発覚。ただ単に名前が出ていただけでなく、ステロイドの入手や使用状況がかなり克明に記されていた。球団も一時は契約解除を示唆するも結局はチームにとどまることになったが、目立った成績を残せないまま1年で解雇された。

 このように、「暗黒時代」という呼び名は、数々の“伝説”に彩られているからこそのもの。少なくとも現時点で当時の再来を云々するのは早計だろう。ベイスターズが一刻も早くチームを立て直し、トンネルから抜け出すことを祈りたい。

構成●SLUGGER編集部

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