「制球面が昨年よりも良くなっていて、最後の球で勝負できているのも成長かなと。キャッチボールとかピッチングの中で、体のリズムを大事にしています。できれば守備は短く、バッティングを長くしてもらいたくて、打たせて取ることで野手も乗ってきてくれるので、そこを意識してます」

　負けるまで「髪の毛を切らない」としていたが、「勝ち続けても長くなりすぎたら切ります」と答えてファンを和ませた宮城。昨年と比べて顔つきも明らかに変わった。常に落ち着いた佇まいは、山岡、由伸のダブルエースや同じ左腕の田嶋大樹と同じ雰囲気を感じさせる。同級生の紅林弘太郎が開幕からずっと一軍に帯同していることも心強いはずだ。
  　ダルビッシュ有（パドレス）からも以前に投球術を絶賛されていた宮城。実は、新人王資格も持っている。怪我することなく今の勢いを継続できれば、オールスターや東京オリンピック出場はもちろん、最終的にはチームの優勝争いのキーマンとなるかもしれない。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ／1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第９回 特集オリックス・バファローズ』（カンゼン）ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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