専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

期待高まる2年ぶりの“花巻東対決”。菊池雄星vs大谷翔平の勝負を左右する「3つのポイント」とは<SLUGGER>

藤原彬

2021.06.05

■「低め」と「初球」の攻防にも注目!
 カッターの使い方とは対照的に、今季の菊池は投手有利のカウントでスライダーを多く投げている。ここで言うスライダーとは、メジャー1年目よりも球速を3マイルほど落としたものだ。2年目から4シームとの緩急が広がった結果、こちらも空振り/スウィング率は25.9%→38.7%→33.6%と効果を得ている。

 左打者相手に多用する球種で、強打者の大谷にも投じると思われるが、細心の注意が必要だ。今季の大谷は真ん中の高さに来たボールから10本塁打を放ち、2年前も菊池から真ん中に入った甘めのカーブを逆方向へスタンドインさせた。ただ、低めは低打率で三振も多い。菊池がしっかりそこに投げ込むことができるか。少しでも制球が狂うと、途端に餌食となるだろう。
 
 チェンジアップは5割近い空振り/スウィング率を誇るが、ほぼ右打者にしか投げない。つまり、大谷は4シームとカッター、スライダーの3球種に絞ればいいが、昨季から菊池は投球ごとのリリースポイントのばらつきを小さくしている。以前より球種の判別が困難になっている点は、大谷にも戸惑いを与えられるかもしれない。

 そして、2人の対決では特に初球に注目したい。今季の菊池は初球ストライク率(66.1%)がこれまでにないほど高く、対する大谷は初球打率.364/4本塁打で通算も.397/16本を記録している。

 同じ場所から夢見た最高峰の舞台で、研ぎ澄まされる力と技。ぶつかり合いの行方は、果たして――。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号