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大学野球

【全日本大学野球選手権「注目」のドラフト候補投手】総合力が光る椋木、本格派左腕の黒原&隅田の上位候補に熱視線<SLUGGER>

西尾典文

2021.06.06

 隅田も黒原と同様に投手としては決して大柄ではないが、コンスタントに145キロを超えるストレートと多彩な変化球を操る。地方リーグの150キロ左腕というと未完の大器タイプを思い浮かべるかもしれないが、多彩な変化球と制球力も備えており、投手としての総合力は間違いなく全国でも上位だ。高校3年夏に出場した甲子園では初戦で敗れただけに、それ以来となる大舞台での快投に期待したい。

 残る森田と小向は対象的な特徴を持つ右腕だ。森田の持ち味は何よりも制球力。ストレートのアベレージは140キロ台前半ながら、ツーシームとカットボールの対になる変化球を低めに集めるピッチングは安定感十分。この春も5試合に先発して3勝負けなし、防御率1.57で最優秀防御率に輝いている。凄みには欠けるが、野村祐輔(広島)のような先発タイプとして評価は高い。
 一方の小向は典型的な未完の大器タイプの大型右腕。真上から投げ下ろすストレートは150キロを超えることも珍しくなく、昨年秋のリーグ戦後に行われた横浜市長杯では白鴎大、日本体育大の強豪を相手にも見事な投球を見せている。ただ大学生にしては細身で、コントロールやスタミナは課題。この春も少し安定感を欠き、1勝に終わった。ただ、今後の「伸びしろ」を考えると非常に楽しみな投手であることは間違いない。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

 

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