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大学野球

【全日本大学野球選手権「注目」のドラフト候補野手】圧倒的な飛距離を誇る正木以外にも好素材が粒ぞろい<SLUGGER>

西尾典文

2021.06.06

 対照的に、福永はディフェンス型のキャッチャー。2.0秒を切れば強肩と言われるセカンド送球でコンスタントに1.8秒台をマークし、コントロールも安定している。課題だった打撃も今年は力強さがアップし、リーグ2位の15打点をマークした。最上級生になって成績を大きく上げてきた点は高く評価できる部分だ。

 最後に紹介する山城は1年秋はショート、3年秋は外野、そして今年の春はセカンドと3つのポジションでベストナインを獲得しているユーティリティ・プレーヤー。2年秋には盗塁王、今年の春にホームラン王と打点王にも輝いており、スピードとパンチ力を兼ね備えている。少し選手のタイプとしては違うものの、同じ富士大の先輩である外崎修汰(西武)のようにプロでも重宝される存在になる可能性を秘めた選手と言えるだろう。
 冒頭でも触れたように、今大会は2年ぶりの開催となるが、昨年の公式戦が少なかったこともあって、ドラフト候補の選手にとっては非常に貴重なアピールの場となる。リーグ戦の開催時期もいつもと異なる連盟も多く、調整が難しい面もあるかもしれないが、持てる力を十分に発揮してくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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