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MLB

【杉浦大介のNYレポート】登板日はもはや一大イベント。歴史的な快投を続けるデグロムはメッツを頂点まで導けるか<SLUGGER>

杉浦大介

2021.06.15

 現在、13人が負傷者リスト入りし、マイケル・コンフォート、JD・デービス、ジェフ・マクニール、ブランドン・ニモといったレギュラーも離脱中。3億4100万ドルの超大型契約を結んだばかりのフランシスコ・リンドーアは打撃不振に喘ぎ、おかげで得点数はMLBワーストの30位、本塁打数では28位と打線は低迷している。加えて投手陣にも故障者が出ている中で、この位置にいるのはほとんど驚異的と言っていい。

 躍進の原動力はデグロム、マーカス・ストローマン(防御率2.33)、タイワン・ウォーカー(同2.07)という先発3本柱と、移籍3年目で真価を発揮し始めた守護神ディアズの支配的な投球に違いあるまい。守備陣も安定していて、投手陣を盛り立てている。

「今夜(11日)、多くのファンが来てくれたのは素晴らしかった。ファンが戻ってきて嬉しいよ」。デグロムのそんな言葉通り、絶好のタイミングで観客制限が緩和され、メッツは球場での観戦を待ち望んでいたファンと一体になって上昇を続けそうな気配を感じさせている。
 
 デグロムという絶対の大黒柱を軸に、復調を感じさせ始めたリンドーアが爆発し、故障者たちも徐々に戻ってきたら……。クロスタウン・ライバルのヤンキースがいまひとつ精彩を欠く中、メッツがニューヨークの主役となってもおかしくない。

 1969年はトム・シーバー、86年はドワイト・グッデン。思えば、メッツがワールドチャンピオンに輝いた年には必ず絶対的なエースがいた。球界最強投手を擁する今年も、一気に頂点まで駆け上がることができるだろうか。

文●杉浦大介

【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
 
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