③大竹風雅(東北福祉大→ソフトバンク5位/投手)
東北福祉大で同期の椋木蓮(オリックス1位)、三浦瑞樹(ソフトバンク育成4位)が下級生から主戦だったのに対して、大竹の4年間でのリーグ戦登板はわずかに2試合。3年以降は右ヒジの手術を受けた影響で登板すらなく、指名があっても育成ではないかと思われただけ、支配下の5位で名前を呼ばれた時には本当に驚かされた。
昨年もソフトバンクは、所属チームでは主に外野手としてプレーしていた田上奏大(履正社)を投手として5位で指名しているが、今年は同じ枠で大竹が指名されたと言える。実績はなくても素材の良さがあれば自前で育てられるという自信のようなものも感じられる指名だった。
恵まれた体格から投げ込む150キロに迫るスピードボールが武器とのことだが、その詳細はベールに包まれているだけに、プロでどんな投球を見せてくれるかが楽しみだ。
④末包昇大(大阪ガス→広島6位/外野手)
東洋大時代の4年間はリーグ戦通算わずか6安打、本塁打ゼロ。そんな打者が社会人3年目の今年、一気に才能が開花して6位指名を勝ち取るのだから、野球は何が起こるか分からない。特に7月に行なわれた日本選手権では5試合すべてで4番に座り、9安打、7打点の大活躍でチームの優勝に大きく貢献、打撃賞にも輝いている。
187㎝、110㎏という日本人離れした巨漢で、大学時代に比べるとゆったりとボールを呼び込んで広角に打てるようになったのが大きな成長だ。これだけの体格でありながら外野の動きも悪くない。来年で26歳ということを考えると1年目から勝負となるが、今年30歳で大ブレイクした杉本裕太郎(オリックス)の例もあるだけに、大輪の遅咲きの花を咲かせてくれることに期待したい。
⑤吉川雄大(JFE西日本→楽天7位/投手)
広陵高では3年夏にエースとして甲子園に出場したものの、東海大では選手層の厚さもあって目立った実績は残していない。社会人3年目の今年もエース格というわけではなく、直前の都市対抗予選でも登板がなかっただけに、正直、完全にノーマークの存在だった。
小柄でコントロールと投球術が持ち味の投手だが、打者を圧倒するボールがあるわけではないだけに、プロで活躍するにはさらなる緻密さが求められる。球団がどのあたりを評価して、どんな役割を期待しているかにまずは注目したい。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
東北福祉大で同期の椋木蓮(オリックス1位)、三浦瑞樹(ソフトバンク育成4位)が下級生から主戦だったのに対して、大竹の4年間でのリーグ戦登板はわずかに2試合。3年以降は右ヒジの手術を受けた影響で登板すらなく、指名があっても育成ではないかと思われただけ、支配下の5位で名前を呼ばれた時には本当に驚かされた。
昨年もソフトバンクは、所属チームでは主に外野手としてプレーしていた田上奏大(履正社)を投手として5位で指名しているが、今年は同じ枠で大竹が指名されたと言える。実績はなくても素材の良さがあれば自前で育てられるという自信のようなものも感じられる指名だった。
恵まれた体格から投げ込む150キロに迫るスピードボールが武器とのことだが、その詳細はベールに包まれているだけに、プロでどんな投球を見せてくれるかが楽しみだ。
④末包昇大(大阪ガス→広島6位/外野手)
東洋大時代の4年間はリーグ戦通算わずか6安打、本塁打ゼロ。そんな打者が社会人3年目の今年、一気に才能が開花して6位指名を勝ち取るのだから、野球は何が起こるか分からない。特に7月に行なわれた日本選手権では5試合すべてで4番に座り、9安打、7打点の大活躍でチームの優勝に大きく貢献、打撃賞にも輝いている。
187㎝、110㎏という日本人離れした巨漢で、大学時代に比べるとゆったりとボールを呼び込んで広角に打てるようになったのが大きな成長だ。これだけの体格でありながら外野の動きも悪くない。来年で26歳ということを考えると1年目から勝負となるが、今年30歳で大ブレイクした杉本裕太郎(オリックス)の例もあるだけに、大輪の遅咲きの花を咲かせてくれることに期待したい。
⑤吉川雄大(JFE西日本→楽天7位/投手)
広陵高では3年夏にエースとして甲子園に出場したものの、東海大では選手層の厚さもあって目立った実績は残していない。社会人3年目の今年もエース格というわけではなく、直前の都市対抗予選でも登板がなかっただけに、正直、完全にノーマークの存在だった。
小柄でコントロールと投球術が持ち味の投手だが、打者を圧倒するボールがあるわけではないだけに、プロで活躍するにはさらなる緻密さが求められる。球団がどのあたりを評価して、どんな役割を期待しているかにまずは注目したい。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。