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プロ野球

DeNAは打率トップ10に4人輩出も得点力ダウン。リーグ最下位に沈んだ三浦監督1年目の「課題」<SLUGGER>

萩原孝弘

2021.10.29

 敗戦時、三浦監督の口からは「あと1本が出なかった」のコメントが多く聞かれた。送りバントは増えたものの、セカンドランナーがワンヒットで還ってこられない。進塁打や犠飛も少ない。フェンス直撃のシングルヒットも多かった。現有戦力の能力を判断し、勝利するために最善を尽した結果とはいえ、攻撃のオプションは少なく、理想と現実のギャップが浮き彫りになった一年だった。

 ラミレス前監督も「去年までのチームスタイルをいきなり100%変えることは、なかなか思うように行かない部分はあると思う」と語った通り、昨オフは主だった補強もなく、ほぼ同じメンバーでの戦いを強いられた。そうした状況にあって、ここまであまり重要視してこなかった細かい戦略を取り入れるには、時間的にも難しい面もあったと推測される。
 
 今シーズンは期待された活躍が出来なかったが、一昨年ファームで三浦監督が指導した宮本秀明や関根大気などの“番長チルドレン”に加え、ドラフトでは6位で梶原昂希、育成で村川凪、大橋武尊と足のスペシャリストを指名した。

  チーム屈指のスピードが武器のホープ・森敬斗も今年は一軍で多くの経験を積み、三浦監督の目指す野球の土台は少しづつ形成されつつある。ここに不動のレギュラーたちにも走塁意識を植え付けることができれば、チーム全員で「点を取りに行く」ことができるだろう。一方で、逆説的ではあるが機能しない場合は、豪快な野球で突き進むしかない。

 南場智子オーナーも「これからどのように這い上がっていくかっていうところを皆さんに見てもらいたい。それ自身がドラマになるようなそういう出発点だったんだ、三浦ベイスターズは!」と期待を込めた2年目の巻き返しは、どのような方向性に進んでいくのか。秋季キャンプから注目していきたい。
  
取材・文 ・ 写真●萩原孝弘
 
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