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プロ野球

今のDeNAとは比べ物にならない?“暗黒時代”のベイスターズが残した数々の“伝説”

SLUGGER編集部

2021.05.01

今季のDeNAは負け続きだ。だが、ベイスターズが暗黒期だった頃は、ただ負けまくっているだけではなかった。写真:田口有史

今季のDeNAは負け続きだ。だが、ベイスターズが暗黒期だった頃は、ただ負けまくっているだけではなかった。写真:田口有史

 横浜DeNAベイスターズが、目下セ・リーグの最下位を驀進中だ。4月30日時点で6勝21敗4分、勝率.222。あまりの負けっぷりに「万年最下位だったかつての“暗黒時代”を彷彿とさせる」という意見すら聞かれる。

 “暗黒時代”とは、具体的には2002年以降の低迷期を指す。02~15年までの14年間で、ベイスターズは実に最下位10度。まだチーム名が「横浜ベイスターズ」だった08年は、48勝94敗2分で勝率.338。この年、首位打者に輝いた内川聖一の打率(.378)よりも低い数字という史上初の珍事が起きた。さらにこの年から、これまた史上初の3年連続90敗以上という不名誉な記録も打ち立てている。

 単に弱かっただけではない。暗黒期のベイスターズは、プロとは思えないような数々の珍プレーでも伝説を残した。
 
▼03年7月5日 広島戦
 7回2死一塁の場面。至って普通のゴロを捕球した三塁手の古木克明が、送球しようとした際に派手に転倒。もたつく間に何と一塁ランナーが本塁まで到達してクロスプレーに(結果はアウト)。清原正博アナウンサーの「古木あーっと!」という呆れたような実況とともに、暗黒時代の最も有名なひと幕として語り継がれている。

▼06年8月23日 巨人戦
 同点の9回1死満塁のピンチにセオリー通りの前進守備で備えていながら、一塁ゴロを捕った佐伯貴弘がなぜか一塁を踏んでからホームに送球。この間に三塁ランナーが生還して決勝点を許し、実況の松下賢次アナから「どうしたんだ佐伯! 何のための前進守備だ!」という名台詞が生まれた。

▼09年9月2日 巨人戦
 同点の9回裏1死。左のプルヒッターである巨人の小笠原道大に対し、外野3人がライト側へ寄る守備シフトを敷く。結局、小笠原には四球で出塁を許してしまうのだが、なぜか次の右打者アレックス・ラミレスの打席でもシフトを解除せず。結果、ラミレスが思い切り引っ張った打球が無人のレフトを転々とし、小笠原が一気に一塁から生還してサヨナラタイムリーとなった。

 この他にも、センターの石川雄洋がフライを落球した後にライトの多村仁志と交錯して2人とも転び、起き上がった石川がなぜかまだ体勢を崩している多村に送球(当然取捕れない)、二盗阻止のため捕手が送球すると誰もカバーに入っておらず、送球がセンター前へ抜けていく……など、枚挙にいとまがない。あまりのひどさに、インターネット上ではこうしたプロにあるまじきプレーを指して「ベイスボール」と呼ぶスラングが生まれたほどである。
 
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