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MLB

【2021大谷翔平の軌跡:7月】「史上初」の記録をいくつも打ち立て、夢のオールスターでは特例出場で主役に<SLUGGER>

斎藤庸裕

2021.12.28

 野球を楽しむ大谷が最もよく見られたのは、やはりオールスター本戦だった。

 特例が認められ、史上初めて「1番・DH&投手」で出場して迎えた1回表の打席では、大投手マックス・シャーザー(当時ナショナルズ)と対戦。結果はセカンドゴロで凡退だったが、その裏に先発マウンドに上がると、満員のファンの期待に応える100マイル(約160.9キロ)の速球を披露し、日本人では2人目のオールスター勝利投手となった。

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「オールスター、ホームラン・ダービーに関しても本当に新鮮な、いい経験をさせてもらったなと思ってます。パワー勝負、一番トップのレベルでできるというのが、自分的にもうれしかったですし、できるんだなっていうのを実感できただけで、もっともっと高いレベルで、自分をもっていくことができるんじゃないかなと思う」

 メジャーを代表する選手とともにプレーし、夢舞台を存分に楽しんだ。前半戦を投打でフル稼働し、疲労感も拭えなかったが、野球人生でかけがえのない貴重な時間となった。
 ファンにとってもそれは同じだった。大谷の一挙手一投足に注目し、スタンドからは携帯を手に写真やムービーを撮影する姿が目立った。オールスターでの二刀流。歴史的瞬間を逃すまいと、皆が大谷のプレーに虜になった。

 絶好調だった6月の勢いのまま、期待を一身に背負いながら駆け抜けた1ヵ月。月間の打率は.282、9本塁打、19打点で本塁打と打点の二冠も見える位置まで成績を上げた。そして、「史上初」の記録をいくつもも達成し、メジャーの歴史を変えた。結果以上に、二刀流・大谷が最も脚光を浴びた7月だった。
【つづく】

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
 
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