数々の優等生エピソードで知られる根尾だが、野球選手としては典型的な「身体能力先行/ダイヤ原石型」だ。外野守備での強肩はすでに一軍でも有数のレベルで、打撃でもしっかり芯で捉えた時の打球の勢いは目を見張るものがある。ただ、現段階ではいかんせんジャストミートできる確率が低く、相手投手に翻弄される場面が目立つ。
昨季まで二軍で指揮を執っていた仁村徹監督は根尾の打撃について「すべてにおいて自分の形を優先して、相手投手としっかり勝負できていない」といった趣旨のコメントを残している。実は「融通のきかなさ」については、大島洋平や高橋周平らチームメイトからも似た指摘が出ている。この点、「優等生」ならではの生真面目さが災いしているのかもしれない。
一方で、潜在能力の高さは誰もが認めるところだ。18年秋、ドラフト有望株の情報については他の追随を許さない『野球太郎』は、根尾について「一つひとつの能力は大谷(翔平)選手の方が長けているかもしれないが、走攻守、すべての能力で考えるとこれほど凄い選手はいないと思う」と激賞していた。仁村監督にしても、課題を指摘する一方で「ちょっと何かあれば、ゴーンと上へ行くから」と期待を寄せている。 あまり知られていないが、名門ヤンキースで20年近くにわたって正遊撃手を務めたあのデレク・ジーターも、高校からプロ入りして最初の数年は「ダイヤの原石」そのものだった。プロ2年目の1993年には、マイナーリーグ1A級での126試合で56個(!)ものエラーを喫している。
あまりのエラーの多さに、球団内部ではセンターへのコンバート案も浮上。ジーター自身も精神的にかなり参ってしまい、故郷に住む両親に毎晩のように電話をかけて「大学に進学しておけば良かった」とこぼしていたという。
だが、ジーターはコーチやチームメイトには決して泣き言をこぼさなかった。当時から野球への真摯な取り組みは誰もが認めるところで、日々練習に打ち込んで課題を克服し、最終的にはメジャー通算3465安打を積み上げ、史上屈指のショートストップに成長した。
10人の選手がいれば、10通りの成長パターンがある。同期生だからといって、同じ成長曲線を描くとは限らない。その点、ファンや球団関係者も、「小園はもうレギュラーを取っているのに……」という視点で根尾を見ない方がいいのではないか(そう思いたくなる気持ちは痛いほど分かるが)。
昨季まで二軍で指揮を執っていた仁村徹監督は根尾の打撃について「すべてにおいて自分の形を優先して、相手投手としっかり勝負できていない」といった趣旨のコメントを残している。実は「融通のきかなさ」については、大島洋平や高橋周平らチームメイトからも似た指摘が出ている。この点、「優等生」ならではの生真面目さが災いしているのかもしれない。
一方で、潜在能力の高さは誰もが認めるところだ。18年秋、ドラフト有望株の情報については他の追随を許さない『野球太郎』は、根尾について「一つひとつの能力は大谷(翔平)選手の方が長けているかもしれないが、走攻守、すべての能力で考えるとこれほど凄い選手はいないと思う」と激賞していた。仁村監督にしても、課題を指摘する一方で「ちょっと何かあれば、ゴーンと上へ行くから」と期待を寄せている。 あまり知られていないが、名門ヤンキースで20年近くにわたって正遊撃手を務めたあのデレク・ジーターも、高校からプロ入りして最初の数年は「ダイヤの原石」そのものだった。プロ2年目の1993年には、マイナーリーグ1A級での126試合で56個(!)ものエラーを喫している。
あまりのエラーの多さに、球団内部ではセンターへのコンバート案も浮上。ジーター自身も精神的にかなり参ってしまい、故郷に住む両親に毎晩のように電話をかけて「大学に進学しておけば良かった」とこぼしていたという。
だが、ジーターはコーチやチームメイトには決して泣き言をこぼさなかった。当時から野球への真摯な取り組みは誰もが認めるところで、日々練習に打ち込んで課題を克服し、最終的にはメジャー通算3465安打を積み上げ、史上屈指のショートストップに成長した。
10人の選手がいれば、10通りの成長パターンがある。同期生だからといって、同じ成長曲線を描くとは限らない。その点、ファンや球団関係者も、「小園はもうレギュラーを取っているのに……」という視点で根尾を見ない方がいいのではないか(そう思いたくなる気持ちは痛いほど分かるが)。