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プロ野球

【ポジション別ランキング:捕手】強打の森に強肩の甲斐、赤丸急上昇の木下…扇の要ナンバーワンは誰だ?<SLUGGER>

藤原彬

2022.02.25

 昨年、日本シリーズMVPに輝く活躍でヤクルトの日本一に貢献した中村は、パンチ力こそ上位3人に劣るものの、じっくりボールを見て臨機応変に対応できる打撃が持ち味で、一時は2番も任された。まだ31歳ながらすでに10年近くもヤクルトの正捕手を背負い、今季から古田敦也ら名捕手が背負った背番号27を継承している。

 坂倉はチーム事情から一塁との出場が半々だったが、それでもランクイン。通算2119安打の球団OB・前田智徳とも比較される打撃センスを存分に発揮し、昨季はリーグ2位の打率.315。OPS.857も森に匹敵する数字だった。守備が順調に成長すれば、数年後には球界最強の捕手となっている可能性は十分ある。
 
【惜しくも圏外だった選手たち】
 ランクインこそしなかったものの、大城卓三(巨人)、梅野隆太郎(阪神)、會澤翼(広島)らセの正捕手たちはいずれも攻守兼備。大城は昨季リーグベストの盗塁阻止率.447を記録し、自身初の2ケタ本塁打(11本)を記録。ただ、低打率(.231)で四球もあまり選ばないため、OPSは.660にとどまった。

 梅野は昨季、打率.225が自己リーグワースト、捕手で最多の6失策と攻守両面で精彩を欠いたが、18~20年には3年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得。逆方向にも強い打球が打てる技術を持ち、捕手では珍しく走塁にも関心が高いなど、本来であればランクインしていてもおかしくない総合力を持つ。

 會澤も18~19年には2ケタ本塁打&OPS.800以上をクリアするなど本来は森並みの攻撃力を誇るが、故障もあって直近2年は70試合台の出場にとどまっている。だが、出場すれば坂倉を押しのけてマスクをかぶるなど、まだまだ信頼度は高い。

 坂倉のような次代の正捕手候補としては、頓宮裕真(オリックス)が112打数で5発、佐藤都志也(ロッテ)は132打数でアーチ6本とそれぞれパワーをアピール。2人とも守備に課題を抱えるが、今後の成長次第ではランクインも見えてくるだろう。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
 

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