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プロ野球

「異色」の新庄監督と「王道」の立浪監督――開幕2週間で浮き彫りになった両監督の違い<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.04.12

 一方、立浪監督のここまでの采配はどこまでも「オーソドックス」だ。

 ラインナップは3番を除いてほぼ固定。ともに高卒3年目の岡林勇希と石川昂弥は次代のチームを背負って立つ存在と位置付け、少々の不振でも目をつぶって起用することを公言している。

 投手起用でも、「先発投手に長いイニングを投げてもらいたい」と語っていた通りの起用を貫徹している。高卒2年目の高橋宏斗が先発した7日のヤクルト戦では、ベンチ入りした救援投手はわずか7人。高橋がプロ2先発目だったこと、今季から延長12回制に戻ったことを考えれば少ない(ヤクルトは9人だった)。しかも、試合中もブルペン組に何度も肩を作らせるようなこともせず、高橋宏に試合を任せるという意思はかなり明確だった。

 現役時代もそうだったが、立浪監督はベンチでほとんど表情を変えない。試合後のコメントもどちらかと言えば地味なものが多いが、1つ印象的な言葉があった。
 
 1-2で敗れた6日のヤクルト戦後、その時点で33打数3安打と不振を極めていた京田陽太について、立浪監督はこう語った。「いろんなことを思われる方はいると思うんですけど、うちのチームで143試合ショートで出られる体力があるのは京田しかいない」。

 すると翌日、京田は2打席連続本塁打を記録。立浪監督の言葉を意気に感じたと想像するのは決して間違いではないだろう。

 立浪監督は、PL学園の主将として甲子園春夏連覇を達成した頃から野球IQの高さやキャプテンシーを評価され、現役引退後は「ドラゴンズの監督になりたい」という強い思いを秘めながら解説者を務めてきた。WBCでは打撃コーチを任され、21年は中日のキャンプで臨時コーチも務めた。念願叶って監督に就任した時点で、すでに「自分が目指す理想の野球像」は確立されていたのだろう。
 

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