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MLB

1年目から主力としてシビアに評価される日本人野手たち。「メジャー挑戦」ではなく「メジャー移籍」と呼ぶべきでは<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.04.27

 11年の夏、シカゴの番記者からこんなことを言われた。

「コウスケがいい外野手なのは間違いない。だが、今年の彼の年俸は1400万ドルだ。メジャーリーグではかなりの高額で、今の彼の成績に見合っていない」

「コウスケ」とは福留のことで、同年7月下旬にカブスからインディアンスにトレードされたことを受けての発言だった。

 07年オフに福留がカブスと交わした4年総額4800万ドルの契約は、1年目が700万ドル、2年目から1250万ドル、1400万ドル、1450万ドルと変動する内容だった。

 つまり、1年目は「期待の新人」で良かったのだが、2年目以降は「年俸1400万ドル」に見合う「主力選手」の活躍を期待されていたわけだ。

 年俸と成績に明確な基準など存在しないが、11年の年俸1450万ドル前後の選手の主な顔ぶれを見れば、福留にどんな期待がかけられていたのかがよく分かる。
 
1473万ドル デレク・ジーター(ヤンキース)     
1460万ドル アラミス・ラミレス(カブス)      
1451万ドル アルバート・プホルス(カーディナルス)  
1450万ドル 福留孝介(カブス)           
1425万ドル デビッド・ライト(メッツ)      
1400万ドル エイドリアン・ベルトレ―(レンジャーズ)
1400万ドル マーク・バーリー(ホワイトソックス)
1400万ドル JD.ドリュー(レッドソックス)
1400万ドル チッパー・ジョーンズ(ブレーブス)
1400万ドル ティム・リンスカム(ジャイアンツ)
1250万ドル デビッド・オティーズ(レッドソックス)
(万ドル以下は四捨五入)

 ちなみにこの年のMLB最高年俸はアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)の3200万ドルで、カブスでは06年に40-40(46本塁打&41盗塁)を達成した元広島のアルフォンソ・ソリアーノの1900万ドルが最高だった。日本人最高はイチロー(マリナーズ)の1800万ドルで、MLB全体では18位に相当する。

 福留は前年の10年、メジャー自己最多の13本塁打を放ち、打率/出塁率/長打率が.263/.371/.439でOPS.809を残している。11年も、前半戦は.273/.374/.369でOPSも.742とまずまずの成績だった。
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