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MLB

1年目から主力としてシビアに評価される日本人野手たち。「メジャー挑戦」ではなく「メジャー移籍」と呼ぶべきでは<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.04.27

 鈴木が打つか、打たないかでカブス打線がまったく違う破壊力になることもあって、地元メディアはすでに「1年目からオールスターに選出されるのではないか?」と書いているし、日本のメディアも「18年の大谷以来の新人王になるのではないか?」と期待する。

 だが、鈴木の「メジャー挑戦」ならぬ「メジャー移籍」はまだ始まったばかりだ。焦ってはならない。そもそも、鈴木を獲得したカブスのジェド・ホイヤー編成総責任者が入団会見の席でこう言っている。

「(メジャーリーグへの適応に)「その過程が痛みを伴うものだとしても、心構えはできている」
 事実、日本人野手では史上最高額の5年8500万ドルという契約も、今季は福留の1年目と同じ700万ドルに過ぎず、「主力選手」級となるのは2年目の1700万ドルからだ。3年目の2000万ドル最高額(4、5年目は1800万ドル)となっていて、これは3年目の24年に大活躍してくれればいいというメッセージでもある。

 今はただ、山あり谷ありの長いシーズンを、彼が一歩一歩、確かな歩みを経て乗り越えていく姿を、目に焼き付けておくだけでいいのではないかと思う。

文●ナガオ勝司

【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、アイオワ州のマイナーリーグ球団で取材活動を始め、ロードアイランド州に転居した'01年からはメジャーリーグが主な取材現場になるも、リトルリーグや女子サッカー、F1GPやフェンシングなど多岐に渡る。'08年より全米野球記者協会会員となり、現在は米野球殿堂の投票資格を有する。日米で職歴多数。私見ツイッター@KATNGO
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