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MLB

1年目から主力としてシビアに評価される日本人野手たち。「メジャー挑戦」ではなく「メジャー移籍」と呼ぶべきでは<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.04.27

 だが、その年俸から彼の獲得の是非が地元紙で取り沙汰され、その過程で当時全盛期でMVPも獲得していたプーホルスや、後の殿堂入り選手チッパー・ジョーンズと比較されてしまった。

「もしもコウスケが年俸1400万ドルじゃなくて500万ドルだったら、我々メディアやファンもあれこれ言うことはなかったと思うんだよ」

 件の番記者がそう言った時、我々がよく言う「メジャー挑戦」という言葉を考え直した。メジャーリーグにおける「新人」でありながら、「主力選手」の活躍を期待されている日本人野手にとっては、「メジャー移籍」と呼ぶ方がしっくり来るからだ。

 過去の日本人野手の誰もが活躍したわけではない事実を考えると、「高額契約を交わしたんだから活躍して当たり前」と考えるのは、新しくメジャーに来る日本人野手にとってはフェアではないとも言える。そしてそんな状況は、事実として今もまったく変わっていない。
 今年はカブスの鈴木誠也が、かつてのイチローのように、米国メディアやファンから常に期待される存在となっている。

 4月18日のレイズ戦で初めて4番で出場した鈴木は、4回の左前打でデビュー戦から9試合連続安打を記録した。それは07年の岩村と並ぶ日本人最長記録でもあった。

 この日の試合前には、ナ・リーグ週間MVP(4月11~17日)に選出されたことが発表されていた。日本人のルーキーが4月に同賞に選出されたのは18年の大谷以来だそうで、鈴木はその間、12日のパイレーツ戦で2本塁打を放つなど6試合で打率.412、3本塁打、5打点と際立った活躍を見せていた。
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