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MLB

期待外れドラ1と烙印を押されたテイラー・ウォードの“逆襲”。大谷翔平の前を打つ切り込み隊長の成長物語<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.04.29

エンジェルスの今季HR後の名物となったハット。ウォードは1週間で3回もかぶる爆発ぶりを見せている。(C)Getty Images

エンジェルスの今季HR後の名物となったハット。ウォードは1週間で3回もかぶる爆発ぶりを見せている。(C)Getty Images

 カリフォルニア州大フレズノ校では強肩捕手として鳴らし(現在ヤンキースで活躍するアーロン・ジャッジともチームメイトだった)、全米大学代表に選ばれたこともあるウォードは15年ドラフト全体26位指名でエンジェルスに入団した。しかし、打力がプロでは厳しいとの声も多く、「この指名順位は高すぎる」「エンジェルスはミスを犯した」との批判も聞かれた。実際、マイナーでも最初の2年間は結果を残せず、本人も焦りがあったという。

 しかし、18年に三塁へ転向すると、ポテンシャルに覚醒が訪れ始める。2A・3Aの102試合で打率.349、OPS.977と好成績を残し、ついにメジャー昇格を手にしたのだ。「本当はキャッチャーとしてメジャーの舞台に上がるのが夢だったけど……」と、捕手への未練もありつつメジャーへ足を踏み入れたウォードは40試合で6本塁打とパンチ力を発揮。しかし、打率.178と確実性には大きな問題を抱えていた。

 翌年も、マイナーでは好成績を残しながらもメジャーでは同じく打率1割台。その間、エンジェルスではジョー・アデルとブランドン・マーシュという2人のアスリート外野手が有望株として台頭し、19年オフには超大型契約で当時最強三塁手のアンソニー・レンドーンが加入。ウォードはメジャー定着のために複数ポジションをこなすユーティリティの道を模索せざるを得なかった。
 
 一部では“終わったドラ1”と揶揄する声も聞かれたが、それでもウォードは研鑽を積むことを止めなかった。20~21年はアデルとレンドーンが不発に終わったことで、出場機会が増加。そして、トラウトが驚くほどの“努力の虫”は自らの手で、年々成績を向上させてついに定位置をつかみ取ったのだ。

 今季開幕前、エンジェルスは今季年俸2800万ドル(約36億5000万円)のジャスティン・アップトンを戦力外とした。期待の若手への出場機会を増やすことが目的だったわけだが、その期待枠に、28歳の遅れてきたドラ1も選ばれたのである。

 数日間だけ大活躍→嘘のようにしぼんでいく。そうした選手はこれまでも数えきれないほどいた。ウォードがそうなるかは誰にも分からないが、もし今後もこの打棒を維持できれば、エンジェルスが2014年を最後に遠ざかるプレーオフにも手が届くはずだ。

構成●SLUGGER編集部

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